15289 維新、埋まらぬ東西の溝   古沢襄

■都構想難航で橋下氏、余裕なし? 旧太陽が存在感 
<日本維新の会の「東西」の溝が埋まらない。東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)の対応をめぐっては、てんでばらばら。橋下徹共同代表(大阪市長)が対応している結(ゆ)いの党との合流を視野に入れた政策協議をめぐっては、旧太陽の党系の平沼赳夫国会議員団代表が不満を爆発させた。
「個人的には細川護煕(もりひろ)元首相を勝手連で支援したい」
細川氏の元秘書の松野頼久国会議員団幹事長は21日の記者会見で、「脱原発」を訴える細川氏を推す考えを表明した。橋下氏に近い大阪維新の会系に同調を働きかけている。
ただ、石原慎太郎共同代表が支援しているのは原発容認派の田母神俊雄元航空幕僚長。原発政策をめぐり党が分裂すれば、野党再編は加速するはず-。石原氏ら旧太陽系を維新から分離した上での再編を志向する大阪系には、そんな計算もあった。
ところが、橋下氏が15日に「国全体のエネルギー政策を都知事選で決めるのは違う」と述べ、大阪系の士気はそがれた。事実、橋下氏ら在阪党幹部に近い馬場伸幸国対副委員長は「それでも細川氏を応援するかといわれると…」と言葉を濁し、実に動きづらそうだ。
石原氏が田母神氏支援を表明したのは年明け早々。維新はその後、自主投票を決めた。ちらつくのは橋下氏の石原氏への配慮。大阪系からは「石原さんに先手を打たれたってことや」との恨み節が漏れる。
一方、結いとの政策協議をめぐっては、21日の国会議員団役員会で、平沼氏が「東京にもちゃんと接触して協議はすべきだ」と激怒した。石原氏はうなずいた。政策協議に臨んだのは橋下氏、松井一郎幹事長(大阪府知事)ら“大阪勢”だったからだ。
役員会で松野氏が、片山虎之助国会議員団政調会長を協議に参加できるよう党本部に掛け合うことを約束。石原、平沼両氏は矛を収めた。
都知事選対応や結いとの政策協議に関連し、旧太陽系が存在感を高めているのは間違いなく、それは「大阪都構想」の行方と無関係ではない。橋下氏が今秋の実施を想定している都構想の住民投票に、公明党は難色を示し、先行きは危うい。橋下氏は国会議員団の動向にまで目配りする余裕はないとみられる。結局、大阪系は歯ぎしりするしかないようだ。(産経)>
杜父魚文庫

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