15327 2人の元首相…「どちらが候補?」   古沢襄

■都知事選告示後初の週末
東京都知事選(2月9日投開票)は25日、選挙戦初の週末を迎え、主要候補の陣営は街頭に繰り出し、支持を訴えた。各陣営は元首相の細川護煕(もりひろ)氏(76)と細川氏を推す元首相の小泉純一郎氏(72)という2人の元首相の動向を注視してきたが、日が経つにつれ、各陣営は冷静に受け止めはじめたようだ。
「殿の声、聞き取り難いね」。25日午後、JR立川駅前(立川市)で街頭に立った細川氏の演説を聞いていた約3000人の有権者の中から、こんな声が漏れた。絶叫調の小泉氏の声がよく響くからだ。

細川氏はお決まりのたすきはかけず、隣にいる小泉氏といで立ちは変わらない。通常は応援弁士が先に演説し、候補者はその後に登場するが、細川氏は先にマイクを握る。八王子市の男性(61)は「どちらが候補か分からないね」。
元首相とあって、近くには数メートルおきに私服警官らが配置され、聴衆との握手も警備に囲まれて思うようにできない。関係者は「街頭演説の場所設定も思うようにいかず、握手もままならない」と漏らす。
一方、序盤の世論調査で他候補に水をあけた元厚生労働相の舛添要一氏(65)は、池袋(豊島区)で街頭演説。福祉を中心に政策を訴え、足を止めて聞き入る有権者も多かった。
練り歩きでは握手を求める有権者らに囲まれ、陣営関係者は「人気度は高い」とみる。舛添氏と並ぶ“2強”とされる細川氏については「いくら小泉さんがついても政策に具体性がなければ厳しい。こちらは今後も油断せず、『都政』について語っていく」と地道に政策を浸透させる構えだ。
小泉氏の影響を「限定的では」とみているのは、銀座(中央区)で支持を訴えた元日弁連会長の宇都宮健児氏(67)の陣営。同じ脱原発を掲げてはいるものの、「基本政策の第一は福祉政策。まさに小泉改革と対極にある」と強調。「小泉さんを支持する層と宇都宮支持層はあまり重ならないだろう」とみる。
浅草(台東区)などをめぐった元航空幕僚長の田母神俊雄氏(65)の陣営関係者は、「『石原(慎太郎元知事)さんが応援する人なら』という信頼感を入り口に人柄や実績、政策を知ってもらえている」と手応えを話す。小泉氏については「小泉政権の経済政策などの結果を知る今の有権者には、あまり受けないと思う」と評した。(産経)>
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