■それも安倍首相のインド訪問翌日だった
安倍首相訪印直後の1月29日、南インド洋で中国海軍が軍事演習を展開していたことが分かった。
南海艦隊(海南島三亜が拠点)所属の最新鋭揚陸艦「長白山」がロンボク海峡経由で西太平洋を越え、一方、海賊退治目的でアラビア海周辺に展開されている駆逐艦「武漢」と「海口」がエデン湾から合流し、合計十隻の大規模な軍事演習となった模様である(『ザ・タイムズ・オブ・インディア』、2014年2月7日)。
さて、フィリピンのアキノ大統領は、ニューヨーク・タイムズ(2月4日)のインタビューに答え、中国を「第二次世界大戦前のヒトラー」として強く批判した。
ベニグノ・アキノ大統領は華僑の末裔である。
彼は「過ちだと信じていることをそのまま認めてしまえば、(中国の)誤った意思が一線を越えかねない」とし、「世界は中国に『いいかげんにしろ』と言うべきだ」と強く非難した。
当時、英国のチェンバレンの宥和政策が、ナチスを増長させ、1938年にチェコスロバキアのズデーテン地方を侵略し、併合した。
この歴史の教訓を前にアキノ大統領は「ヒトラーをなだめて大戦を防ごうと割譲されたことを忘れたか」と指摘しつつ、暗に米国などの宥和外交策は危険であると主張した。
中国はフィリピンのスカボロー礁を2012年に軍事侵略してそのまま実効支配しているため、フィリピン政府は「国連海洋法条約」に基づいて、国際仲裁裁判所に提訴している。侵略者、中国は裁判に応ぜず頬被り。ヒトラーはどっちだ?
杜父魚文庫
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