15440 都知事選 雪の中で最後の訴え   古沢襄

■遊説中止、ネット生放送に切り替えも
<夜半から雪が降り続く8日、投開票日が翌日に迫った東京都知事選の候補者らは、有権者への最後の訴えに都内を駆け回った。
ある候補者は雪が薄く降り積もった江東区の路上で「寒い中、集まってくれたみなさん、ありがとうございます」と演説を始めた。聴衆は白い息を吐きながら、手を擦り合わせて見守った。この候補の陣営は午後の遊説を急遽取りやめ、インターネットの生放送に切り替えることを決めた。
別の候補者は午前8時すぎから、JR新宿駅の地下広場でスタート。ビールケースの上でマイクを握り、立ち止まった約100人に熱心に投票を訴えかけた。
「雪の中では立ち止まってくれる人も少ないだろう」と陣営関係者。選挙カーのタイヤにチェーンを巻いたが、移動に時間がかかることを心配し一部予定をキャンセルするなどした。
千代田区選挙管理委員会は、期日前投票所の周辺を雪かき。雪は9日まで続く恐れがあり、当日の投票所にもスコップを運んだ。
■「投票率 50%台後半」なら無党派勝負 投票率、気をもむ各陣営
9日の投開票まで大詰めを迎えた東京都知事選。無党派層が多い東京では、その動向が選挙結果を左右するだけに、各陣営は投票率の行方に気をもむ。大きな組織票を持つかどうかによって、投票率への思惑は分かれるが、無党派層の比重が強まる「50%台後半」に達するかが勝負の分かれ目とみている。
「うちは純粋無所属。投票率が上がれば上がるほどいい」。元首相の細川護煕(もりひろ)氏(76)陣営は、投票率上昇こそが“生命線”と考える。だが、7日開幕のソチ五輪に触れ、「五輪を夜遅くまで見て、昼間は寝ている人が多いかも」と動向を測りかねている。
過去5回の都知事選でみると、投票率は衆院選と同日実施だった前回の平成24年は62・60%。それまでは40%台前半から50%台後半までと振れ幅が大きい。新人のみが争った都知事選は投票率が高まる傾向にあり、今回も期日前投票はハイペースで推移している。
選挙から離れがちな若い女性票の掘り起こしに注力する元日弁連会長の宇都宮健児氏(67)=共産、社民推薦=陣営は「このペースを保ってくれれば」と高投票率を期待。インターネット上での支持が広がっていると分析する元航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄氏(65)陣営も「一人でも多くの人が投票行動に移してほしい」と話す。
自民、公明両党から支援を受ける元厚生労働相の舛添要一氏(65)陣営は「投票率が50%程度なら、支持層を固めれば勝てる」と話す。ただ、政党支援を受けなかった石原慎太郎・日本維新の会共同代表(81)が都知事に初当選した11年のように、組織票を固められず大敗した事例があり、予断を許さない。
また、投票率に大きく影響する要素として投開票日の天気も挙げられ、一般的に雨や雪が降れば投票率は下がるとされる。
気象庁の予報によると、都内では9日未明に前夜からの雨や雪がやみ、日中は晴天が広がる見込み。気温も平年より高いという。ただ、8日に雪となった場合は「まとまった量になる可能性があるので、9日は足元が悪くなるかもしれない」(同庁)としている。(産経)>
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