<北朝鮮で「逆賊」扱いされ、全ての痕跡がかき消された張成沢(チャン・ソンテク)氏の写真が、在北朝鮮中国大使館のウェブサイトに掲載されたままになっていることが9日までに分かった。
北京駐在の外交関係者は、単純ミスの可能性もあるが、親中派だった張成沢氏が突如粛清されたことに対する中国側の不満を反映しているのではないかとの見方も聞かれる。
中国大使館の中国語版ウェブサイトには、張成沢氏が2012年8月に訪中し、胡錦濤前国家主席、温家宝前首相と会見した様子を伝える写真、記事2本が掲載されている。朝鮮語版サイトには張成沢氏に関する記事は見当たらなかった。
張成沢氏は当時、中朝国境の黄金坪や羅先特区の共同開発に向け、経済代表団約50人を率いて北京入りし、国賓クラスの待遇を受けた。最近の北朝鮮による訪中代表団の規模が50人余りに達したのは、故・金正日(キム・ジョンイル)総書記以外に例がない。
北京の対北朝鮮消息筋は「張成沢氏の写真が中国語版だけに残っており、朝鮮語版にはないのはおかしい。張成沢氏の全ての記録を削除した北朝鮮は、中国の対北朝鮮窓口である中国大使館のウェブサイトに張成沢氏の業績が残っていることにかなり困惑しているだろう」と語った。
中国大使館が中国語版の内容をしっかり管理していなかったことによるハプニングの可能性よりは、中国による間接的な不満表明だとの見方が有力だ。中国大使館は劉洪才駐北朝鮮大使の新年のあいさつをすぐに掲載するなど、中国語版の更新に気を遣っている。
張成沢氏の写真と記事は「双辺(二国間)関係」という項目の一番上に表示されている状態で、中朝関係の「最新ニュース」という扱いだ。中国政府は張成沢氏の処刑について、公式には「北朝鮮内部の問題だ」との立場を取っている。
一方、北朝鮮が中国で経営している代表的なレストラン「海棠花食堂」(北京市)とホテル「七宝山飯店」(遼寧省瀋陽市)の支配人は、張成沢派とされ、これまでにいずれも本国に召還されたもようだ。
米自由アジア放送(RFA)が9日伝えた。海棠花食堂は北京にある北朝鮮系レストラン28カ所の中で規模が最も大きく、七宝山飯店は4つ星クラスのホテルとして知られる。(韓国・朝鮮日報)>
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