■日本政府、同盟強化を演出
<日本政府は、オバマ米大統領の来日について、1泊ながらも特別に国賓として待遇する方針で、日程の調整を急ぐ。米側は韓国訪問の追加を理由に日本側が求めた「2泊以上」を断った形だが、安倍晋三政権は日米同盟の強化をアピールするためにも国賓待遇にこだわった。
「わが国としては、大統領を国賓として招くということだ」
菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は13日の記者会見で、オバマ氏の待遇を変えないことを強調した。同時に「米側から具体的な訪問日程について何ら連絡を受けていない」などとも強調した。
米大統領の国賓としての来日は、平成8年のクリントン大統領(当時)以来18年ぶりとなる。ただ外務省によると、1泊しか滞在しない外国要人を国賓として迎えた例はないという。
日本側は昨秋から、オバマ氏来日を国賓扱いで迎えたいと米側に伝えてきた。オバマ氏の国賓待遇での来日が実現すれば、「民主党政権で傷ついた日米同盟の修復の証しになる」(政府関係者)と考えた。
昨年12月の首相の靖国神社参拝に対し、米側は中国や韓国との関係悪化を懸念して「失望」と表明するなど日米関係が一時ギクシャクしたことも、国賓待遇に固執する一因になった。
これに対し、韓国がオバマ氏の訪韓を具体的に求め始めたのは今年1月になってから。米側は韓国の要求を受け入れ、日本には日程の短縮を求めた。
米側は、韓国との関係も重要との姿勢をみせた形だが、日本側への配慮を欠く形になったのは否めない。日本側もここに来て、「とにかく来日すればいいんだ」(政府関係者)と歓迎ムードは弱まっている。
日程が1日縮まることにより、皇室行事の一部を削る案や、国会演説を取りやめる案などが浮上している。
日本政府は首脳会談で、北朝鮮情勢や東シナ海で挑発行為を続ける中国への対応策、難航する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉などについて協議したい考えだ。(産経)>
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