■中国に緊張緩和促す-ケリー米国務長官
<【北京時事】中国を訪問したケリー米国務長官は14日、習近平国家主席、王毅外相らとそれぞれ会談した。ケリー氏は会談後の記者会見で、中国による南シナ海への防空識別圏設定の可能性に懸念を表明。
東シナ海での日中の対立や南シナ海での争いを念頭に、緊張緩和に向けた対応を取るよう中国側に働き掛けた。
昨年11月に東シナ海に防空識別圏を設定した中国は、南シナ海への設定の可能性を排除していない。ケリー氏は「一方的な現状変更の試み」が地域の不安定化につながりかねないことに懸念を示し、行動の自制や透明性を求めた。
中国側によれば、王氏はこうした問題を交渉や協議を通じて解決する考えを示すとともに、「国家主権を守り、領土を保全するわれわれの決心を誰も動揺させることはできない」と述べ、中国の主権を尊重するよう米国に求めた。また南シナ海の係争をめぐり国際社会の一部が意図的に緊張をあおっていると非難した。
北朝鮮核問題をめぐっても協議し、非核化の進展を北朝鮮に促すための方策について突っ込んだ話し合いを行った。ケリー氏は「すべての手段を尽くすべきだ」と中国側に要請。核問題をめぐる6カ国協議再開に向けて「北朝鮮は意味のある具体的な措置を取る必要がある」と語り、中国に対し北朝鮮への圧力を強めるよう呼び掛けた。
王氏は「朝鮮半島で混乱や戦いが起きるのを決して許さない。中国の姿勢は厳粛で真剣だ。言うだけではなく実行する」と6カ国協議再開へ北朝鮮への働き掛けを強めていく考えを示した。(時事)>
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