15517 韓国政府は「オバマ訪韓」にこだわるな   古沢襄

■朝鮮日報のコラム
米国のオバマ大統領の訪韓を実現させるため、韓国の外交当局は2カ月にわたり苦心している。オバマ大統領が4月に予定しているアジア歴訪計画は、昨年11月にホワイトハウスのスーザン・ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を通して初めて明らかにされた。
当初、日本はフィリピン・マレーシアと並んで歴訪対象国に含まれたが、韓国は含まれていなかった。しかし韓国政府が米国側にオバマ大統領の訪韓を強く要請したことで、この問題は韓日間の自尊心を懸けた外交戦へと発展した。
韓国政府は「韓国を抜きにして日本だけ訪問する場合、韓日間の過去史対立で日本の側に立ったという誤った印象を与えかねない」と主張した。今年1月に外交部(省に相当)の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官がワシントンに行った際も、こうしたメッセージを伝えた。長らくの同盟国からの要求とあって、米国も悩んだ。
日本はさらに過激だった。今月7日、安倍晋三首相は岸田文雄外相をワシントンに派遣。岸田外相はジョン・ケリー国務長官との記者会見で、真っ先にオバマ大統領訪日の件に言及した。岸田外相は「米国が決定を下すなら、日本はオバマ大統領の訪問が大きな成功になるよう努力するだろう」と述べ、公の場で米国を「圧迫」した。
もしオバマ大統領が国賓として日本を訪問することになれば、スケジュールがタイトとなる国賓訪問の特性上、アジア歴訪の期間を延長しない限り韓国訪問は難しいだろう。安倍首相としては、オバマ大統領が韓国を訪れないようにする青写真を描いているものとみられる。
だがこの問題で理解し難いのは、米国の態度だ。
大統領の海外歴訪スケジュールは保安事項に当たるものの、いまだにスケジュールを公開しないというのは納得し難い、と言う人も多い。
韓国政府の関係者は「4月にアジアを訪問するとしか公表しておらず、それがいつになるのかはまだ分からない」と語った。米国側からの示唆はなかったというわけだ。そのため「米国から回答があるまでひたすら待っている」とだけ語った。

こうした状況になったことを受け、一部では「オバマ大統領は訪韓しない方がよいだろう」との声も上がっている。
外国首脳の訪韓に執着するかのような韓国政府の姿勢は、果たして国益につながっているのか、というわけだ。
「オバマ訪韓」が実現しなかったときに「外交戦で惨敗した」と批判されることを、韓国外交当局が過度に怖がっているという印象すら受ける。かつて李承晩(イ・スンマン)大統領がトルーマン大統領やアイゼンハワー大統領を相手にしたときの戦略や戦術を思い出してみるべきだろう。(韓国・朝鮮日報)>
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