■韓国「キム・ヨナの銀」採点に広がる波紋
<20日に行われたフィギュアスケート女子で銀メダルに終わったキム・ヨナ(韓国)の採点を巡る波紋は広がるばかりだ。21日には採点見直しと判定の調査を求める韓国内の署名が150万人を超え、韓国メディアも「海外メディアからも疑念の声」などと報じ、騒動をあおる。国際オリンピック委員会(IOC)は「国際スケート連盟が対応すること」と火消しに躍起だ。
韓国の朝鮮日報(電子版)は「キム・ヨナのフリーの点数は144・19点。プログラム構成点数(74・50点)は(金メダルを獲得したロシアのアデリナ・)ソトニコワ(74・41点)より高かった。
ところが、キム・ヨナの技術点(66・69点)はソトニコワ(75・54点)より9点近く低かった」と指摘、「ソトニコワの技術点のうち基礎点(61・43点)はキム・ヨナ(57・49点)よりも高かった。だが出来栄え点(GOE)には問題があるように思われる。キム・ヨナは9・20点を加点されたが、ソトニコワは加点だけで11・11点をさらった」と疑問を呈している。
これに同調するように、AFP通信は「ソトニコワがキム・ヨナを相手に疑惑の多い金メダルを獲得した」との記事を配信。米スポーツ専門局ESPNも“地の利”を強調し「ソトニコワには採点で多少のアドバンテージがあった」と指摘した。
最も怒りをあらわにしたのが、韓国のテレビ局SBSのコメンテーターで、ツイッターに「単なるプーチン大統領の運動会なら、なぜわれわれわを招待したのか」とまで批判した。
ソチ五輪前から史上3人目となる連覇を期待した韓国の熱烈なファンは、これ以上に納得がいかない。
「デタラメな採点だ! キム・ヨナの金メダルは盗まれたんだ!」「この冬季五輪は人を不愉快にさせるマネーゲームだ。審判には殺意すら覚える」など過激な意見が寄せられている。
さらに、20日のフリー終了後に採点に不満を持った人物が、オンライン署名サイトの「Change.org」で署名活動を始め、主に韓国人のユーザーから急速に支持が集まっているという。
IOCのアダムス広報部長は「公式な異議申し立ては届いていない。もしあったとしても、まずは国際スケート連盟が対応することだ」と沈静化に努めるが、ロシアのムトコ・スポーツ相は「よくある反応だ。ジャッジの権限はロシアにはなく、ジャッジがルールに基づいて判断した結果だ」と述べ、「そういう反応がなかったら、逆に驚きだ」と話した。その上で、結果を疑問視するメディアには「書きたいことを書かせておけばいい」と突き放した。(産経・五輪ネット取材班)>
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