■「安賢洙の国籍変更はスポーツ界の不条理が原因ではないか」
<朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は13日、韓国国籍からロシア国籍に変更し、ソチ五輪のショートトラックにロシア代表として出場した安賢洙(アン・ヒョンス、ロシア名:ビクトール・アン)=29=について「安選手の問題は派閥主義、序列主義、審判の不正など、スポーツ界の底辺に流れる不条理や構造的乱脈に伴うものではないか、振り返る必要がある」と述べた。
朴大統領はこの日、教育部と文化体育観光部(いずれも省に相当)から業務報告を受けた席で「安選手はショートトラック選手としては最高の実力を持っているが、韓国では夢を実現できず他国で選手としての活動を続けている。その理由は何か」と口火を切った上で上記のように指摘した。
朴大統領はさらに「選手を発掘しておきながら差別するような指導者は、才能ある選手たちの素晴らしい力量を葬り、わが国のスポーツ競争力を自ら引きずり落としている」「文化体育観光部は選手たちが実力で評価される仕組みと、公正な審判を保証する対策を取りまとめ、スポーツ界の問題を必ず根絶してほしい」とも述べた。
朴大統領は「マイナー種目、社会体育、エリートスポーツが等しく発展できるようにし、国民体育時代と健康時代を切り開くに当たっては、スポーツが中心的な役割を果たせるようにしなければならない」と訴えた。
その上で朴大統領はソチ五輪に出場している韓国選手たちについて「これまでの4年間、血と汗を流しながらトレーニングを続け、自らの実力を遺憾なく発揮している」「五輪記録を打ち立てて優勝した李相花(イ・サンファ)選手は、下肢静脈瘤(じょうみゃくりゅう、静脈が膨らむ症状)や膝に水がたまるなどの症状で苦労してきたと聞いている。それでも最後まで最善を尽くした」などと評価した。
朴大統領の発言が伝えられると、ソチに滞在しているスケート連盟関係者の間には緊張が走った様子だった。
ある関係者は「危機感を持っている」と述べ、別の関係者は「まずは(今も五輪が行われているので)6種目に出場する71人の選手たちに最高のパフォーマンスを発揮させることに焦点を合わせるしかない」と話した。安賢洙はかつて韓国代表選手選考の際にスケート連盟と対立し、2011年にロシア国籍を取得して今回の五輪に出場した。
安選手はこの日、ロシア紙コメルサントとのインタビューで「韓国に戻る計画はあるか」との質問に「分からない。私はここ(ロシア)の方がいいと思っている」と述べた。その上で「韓国よりも愛しているかは分からないが、ショートトラックは本当に愛している」と語った。(韓国・朝鮮日報)>
杜父魚文庫
15583 朴大統領、安賢洙の国籍変更で韓国スポーツ界に苦言 古沢襄

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