■「五輪の呪い」借金の山に苦しむ可能性
24日(韓国時間)に閉幕したソチ冬季五輪には、夏季を含め五輪史上で最多の500億ドル(約5兆1200億円)の費用が投じられた。
費用規模は2008年の北京五輪(約400億ドル(現在のレートで約4兆1000億円、以下同じ)をはるかに上回る額だ。ロシアのプーチン大統領が国の総力を挙げて準備を進め、人口わずか40万人のソチに巨額の費用が投入された。
米国ニューヨーク・タイムズや英国インディペンデントなど海外主要紙は、ソチ五輪の開幕前から、政府による支出の妥当性に関する議論がほとんど行われないロシアの政治体制でも、今回の五輪に掛けた費用はロシア政府にとって頭痛の種になっていると指摘してきた。
ブルームバーグ通信は、ソチに五輪閉幕後の活用度が期待できない施設14カ所が新設され、五輪後にも年間17億-22億米ドル(約1740億-2250億円)の維持費が掛かると試算した。
ロシアが「五輪の呪い」に苦しむ可能性を警告する数字だ。過去に五輪を開催したモントリオール、アテネなど開催都市の大半が借金の山に苦しんでいることから「五輪の呪い」という言葉が生まれた。
4年後に迫った韓国での平昌冬季五輪を効率的に開催すべきだという意見が早くも高まっている。現代経済研究院は23日、「平昌冬季五輪の成功条件」と題した報告書で「設備投資を減らし、五輪施設の開催後の活用計画を細かく立てるべきだ」とし、当初計画よりも予算が膨らまないように、政府と専門家が会計の引き締めを厳格に行う必要があると指摘した。
今回の報告書は、冬季五輪が経済的に成功した事例として、02年のソルトレークシティー大会を、失敗事例として、1998年の長野大会を挙げた。米ユタ州のソルトレークシティーでは、五輪に使用した11の競技施設のうち、新設した施設が3カ所にすぎなかった。8カ所の施設は既存の施設を改良、補修して使った。ソルトレークシティーはまた、スピードスケートの米国代表チーム本部を誘致したり、スポーツ医学専門病院を開設したりするなど、米国のウインタースポーツの中心地として生まれ変わった。
一方、「環境五輪」を掲げ、意欲的に大会準備を進めた長野は、競技施設の新設に費用をつぎ込み過ぎた。開会式、閉会式の会場、スキージャンプ、クロスカントリーのための施設がいずれも新設だったほか、室内競技場5カ所のうち4カ所を新設した。
長野はまた、大会を準備した5年間に新幹線、道路、空港などのインフラ整備に本来なら14年間分に当たる費用を投資したとみられる。人口30万人の長野市は大会開催で110億ドル(約1兆1300億円)の赤字を抱えた。(韓国・朝鮮日報)>
杜父魚文庫
15605 ポスト・ソチ 平昌五輪では費用面で難題 古沢襄

コメント