■パキスタン高官 アフガン軍部隊の3割が離反し、内戦を懸念
<ワシントン(CNN) アフガニスタンに駐留する米軍の撤退計画を巡り、米政権は25日、駐留継続について定めた安全保障協定への署名をカルザイ・アフガン大統領が拒否し続けた場合に備え、今年中に全面撤退する計画の策定を始めていることを明らかにした。
米ホワイトハウスによると、オバマ大統領は同日、カルザイ大統領との電話会談で、4月に予定されるアフガン大統領選について意見を交換した。この中で、米軍が今年末の戦闘任務終了後も一部要員をアフガンに残すためには早急にしっかりとした計画を立てる必要があるとの見方を示し、時間切れが迫っていると警告した。
大統領は一方で、今年中に全面撤退するシナリオについても十分な計画を用意しておくよう、国防総省に指示したという。
ヘーゲル米国防長官はオバマ大統領の指示を強く支持すると表明し、アフガン情勢はブリュッセルで今週開かれる北大西洋条約機構(NATO)国防相理事会の最大の議題になるだろうと述べた。
隣国パキスタンのある政府高官は匿名を条件に、米国が全面撤退すればアフガン軍部隊の3割が離反し、内戦が起きるとの懸念を示した。
安保協定は、米軍の一部要員がアフガン軍の訓練や武装勢力の残党掃討のために残留することを認め、その条件を定める内容。カルザイ大統領は署名を渋っているが、大統領選の有力候補とされるアブドラ・アブドラ元外相は「アフガンには今後も長年にわたり国際社会の経済的、軍事的支援が必要になる」として、署名の意向を示している。カルザイ大統領自身は憲法の規定により、大統領選に出馬することができない。
ホワイトハウスは声明で、次期大統領が協定に署名する可能性も残っていると指摘した。一方、カーニー大統領報道官は同日の記者会見で「署名に時間がかかればかかるほど、14年以降の任務を適切に計画、実行することは困難になる」「協定への署名なしで米国が残留することは不可能だ」と強調した。(CNN)>
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15617 米政権、アフガン全面撤退を想定した計画策定を開始 古澤襄

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