15640 ロシアがウクライナ隣接地域で軍事演習を指令   古沢襄

■ロシア空挺部隊4000人が国境で降下訓練
ロシア政府は13日、ウクライナ隣接地域で軍事演習を行うための戦車部隊などの動員を発令した。これに先立ちドイツがかつてない厳しさで、ロシアがウクライナ問題で譲歩しなければ「おびただしい」政治・経済損失を被ることになると警告していたが、動員指令はこの警告を無視した形だ。
ロシアはこの地域での地上演習とは別に、ロシア南部で8500人の兵が参加する火力演習を実施することも発表している。
ウクライナ南部のクリミア自治共和国では、ロシア編入の賛否を問う住民投票が2日後に予定されている。西側諸国はこの問題を協議するため14日にロンドンで関係各国の協議を予定している。
国防省の発表によると、この指令を受けて戦車部隊や歩兵部隊などがウクライナ隣接地域へ向けて出発した。演習は3月末まで続く予定だが、同省は演習に参加するロシア兵の人数は公表しなかった。
ロシア政府はさらに、隣接するベラルーシに合同パトロールのために6機のスホイ戦闘機と3機の輸送機を派遣したことを明らかにした。ベラルーシ政府は、一連の動きはウクライナ危機を受けた周辺地域での北大西洋条約機構(NATO)側の偵察活動の増大に対応するものだと述べた。>
ホワイトハウスのカーニー報道官は、この軍事演習に対する直接のコメントを控えた。ただ、「米国の関心は、事態を鎮静化させる必要性に絞られており、それに逆行するいかなる展開も追加的なコストを発生させることになる」と述べた。
ロシア政府はまた、西側諸国が警告する経済制裁がどのような結果をもたらすかを調査していることと、制裁が発動されれば同様の対抗措置を取る準備があることを示唆した。一方、ロシア外務省は同日もラブロフ外相がケリー国務長官と電話で直接協議し、ロンドンでその続きの会談を行うと発表した。(米ウォール・ストリート・ジャーナル)
■対ウクライナ国境で軍事演習=空挺部隊4000人-ロシア
【モスクワ時事】ロシア国防省は13日、対ウクライナ国境に位置する南部ロストフ州や西部ベルゴロド州などで軍事演習を始めたと発表した。16日にロシア編入に向けたクリミア住民投票を控える中、ウクライナ新政権をつくる親欧州連合(EU)派が妨害行為に出ないよう、軍事的な圧力を強化した形だ。
クリミア半島からアゾフ海を挟んで東隣にあるロストフ州では、ロシア空挺(くうてい)軍が14日までの予定で4000人規模の演習を開始。ロシア国営テレビは、演習場でIL76輸送機から兵士が次々とパラシュートで降下する映像を放映した。
また、ロストフ州やベルゴロド州など4州では、ロシア地上軍が戦車や装甲兵員輸送車などを集結させ、3月末までの予定で演習を始めた。
(時事)
杜父魚文庫

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