15642 米ロ外相会談、ウクライナ打開に至らず   古澤襄

■プーチン露大統領は来週決断
(ブルームバーグ)ケリー米国務長官とロシアのラブロフ外相は14日、ロンドンで6時間にわたり会談したが、ウクライナをめぐる対立の打開には至らなかった。ウクライナ南部のクリミア半島はロシアへの帰属替えの是非を問う住民投票を16日に予定している。
ケリー長官が会談後の記者会見で述べたところによると、プーチン露大統領は「日曜の住民投票が終了するまではウクライナについて何も決断を下さない」。ラブロフ外相は別の記者会見で、ロシアは住民投票で示される「クリミア住民の意思を尊重する」と言明した。危機解決について「共通のビジョンがない」とも述べた。
米国と欧州連合(EU)は制裁をちらつかせ、クリミア併合を思いとどまるようロシアに迫っている。ウクライナ政府によればロシアは南部クリミアを掌握し、ロシア・ウクライナ国境の兵力を増強している。エストニアの国防相はこの日、ロシアがウクライナ東部に侵攻する準備を整えていると訴えた。
ケリー長官は、ロシアが方向を変えなければ相応の「結果」に直面すると繰り返し、ウクライナにおけるロシアの「合法的な権利」を守るより良い方法があると説いた。
ラブロフ外相は、ウクライナ東部で13日に起こり犠牲者を出した親ロシアと反ロシアのデモ隊の衝突に怒りを表明した。その上で、ロシアはウクライナ東部を「侵略する計画はない」と言明した。
ホワイトハウスのカーニー報道官はワシントンで、「ロシアが緊張緩和を選択するという状況にならなかった」ことは「遺憾だ」と述べ、米国はクリミアの住民投票が「実施された場合に対応する用意がある」と記者団に言明した。
ケリー長官は、クリミア半島および国境地帯へのロシア軍の配備を米国は深く憂慮しているとし、軍の行動を凍結すれば外交努力の時間が得られると強調。「言葉よりも行動を」と呼び掛けた。(ブルームバーグ)>
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