15690 クリミア編入手続き完了を宣言   古澤襄

ウクライナ南部のクリミア自治共和国をロシアに編入するための条約がロシアの議会で批准され、プーチン大統領は、クリミアのロシア編入の法的な手続きを完了したことを宣言しました。
ウクライナの暫定政権や欧米諸国が反発するなか、クリミアでは、ウクライナ軍からロシア軍に基地や施設の引き渡しが進められています。

クリミアをロシアに編入する条約について、ロシアのプーチン大統領は21日、議会上院が批准したことを受けて関連する法律の文書に署名し、クリミアをロシアに編入する法的な手続きを完了したことを宣言しました。
さらにプーチン大統領は、「クリミアをロシアに同化させるため、多くの作業が控えている」と述べ、関係機関に対し、法律、経済、社会面で移行措置に全力で取り組むよう指示しました。
現地クリミアでは、ウクライナ軍からロシア軍に基地や施設の引き渡しが進められていて、ショイグ国防相は21日、プーチン大統領に対して、クリミアにあるウクライナ軍の基地や施設、それに艦艇の多くがすでにロシア軍に移管され、今後、ロシア軍に移りたい兵士を受け入れることを報告しました。
こうした動きに対し、ウクライナの暫定政権や欧米諸国は、クリミアのロシアへの編入はウクライナの憲法や国際法に違反していると反発していて、欧米諸国は相次いで制裁を強化しています。
■兵士が次々と基地を後に
ロシアが編入を決めたクリミアでは、ウクライナ軍の基地や艦艇の多くがロシア軍の圧力で引き渡され、ウクライナ軍の兵士らが次々と基地を後にしています。
このうち、南西部の港町セバストポリにあるウクライナ海軍の基地では21日、ロシア国旗が掲げられるなか、兵士たちがふだん着姿で次々と基地から出ていきました。
兵士たちは一様に無言で取材には応じず、中には、軍の将校が何着もの軍服を手にして基地を去る姿も見られました。
また、同じセバストポリにあるウクライナ海軍の司令部では正門が閉まり、内側ではロシア軍とみられる武装した兵士3人が警備に当たっていました。
司令部の近くにある店の経営者の男性は「ウクライナ海軍の司令部はもはや存在しない。今はどうなっているのか、さっぱり分からない」と話していました。(NHK)>
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