15702 G7首脳がウクライナ危機協議へ   古沢襄

■対ロ制裁で具体的な決定ない見通し
<[ハーグ 24日 ロイター]日米欧7カ国(G7)首脳は24日、当地で開かれる核安全保障サミットの合間に、ロシアによるクリミア編入への対応策を緊急に協議する。
G7緊急首脳会議の開催が公表された18日以降も、ロシアのプーチン大統領はクリミア半島を編入する法的手続きを完了させたほか、ロシア軍が同半島のウクライナ空軍基地を掌握した。
欧州連合(EU)当局者はG7緊急首脳会議について「行動の協調に向け、われわれが何をするのかお互いに説明する機会となる」と指摘した。
西側の各政府は、プーチン大統領に対する圧力をかけつつ自国経済を保護し、制裁と報復の連鎖を回避するといった難しい対応を迫られている。
G7のメンバーではないが、G7緊急首脳会議でホスト役を務めるオランダのルッテ首相はロイターに対し、「(石油やガスに依存している)ロシア経済には多様性がなく、制裁が実行されれば、ロシアへのダメージは非常に大きくなるだろう」としたうえで、「それを回避するためにわれわれは何でもすべきというのが私の見解だ」と述べ、西側諸国は緩やかな行動を望むかもしれないとの見方を示した。
米当局者らは、追加制裁に当たっては、世界経済に影響しかねない石油や金属といったセクター全体への禁止措置を回避するため、慎重に検討する必要があるとの認識を示した。欧州は石油とガスの約3分の1をロシアに頼っている。
ただ、ヘイグ英外相は22日付の寄稿で、ロシアによるクリミア編入を受け、ロシアへの武器輸出に長期的な制限を設けることを英国や同盟国は検討すべきと呼び掛けた。
複数の外交筋によると、G7緊急首脳会議では制裁に関する具体的な決定はなされない見込みだが、困難に陥っているウクライナ経済に言及するなど、ウクライナ政権を支援するとのメッセージを送る見通し。
また、ロシアのソチで6月に開催予定となっていた主要8カ国(G8)首脳会議に向けた準備をG7首脳が停止したことについても話し合われる見込み。英国はロシアがウクライナに対して一段の措置を取れば、G8からロシアを永久追放すると警告している。
ロシアがG8から追放されれば同国にとっても西側諸国にとっても痛手だ。
あるEU外交筋は匿名を条件に「G8は死に体だが、それを言いたい人がいるとは思えない」と指摘。「誰もが強調したいのはわれわれが皆団結しているということだ」と述べた。
G7緊急首脳会議は24日1730GMT(日本時間25日午前2時30分)に始まる予定。
杜父魚文庫

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