15787 「新形態」の核実験、世界は「成り行き見守る」べき   古澤襄

■北朝鮮 国連次席大使を通して再度表明
北朝鮮が声明で表明した「新たな形態の核実験」は、ウラニウム型核爆弾であろう。小型化が困難なウラニウム型核爆弾はさきの大戦で広島に投下され甚大な被害を出した。
これまで北朝鮮は中・長距離ミサイルに搭載できるプルトニウム型の実験を重ね、すでに数個のプルトニウム型核爆弾を保有しているとみられる。米国が長崎に投下したのはプルトニウム型核爆弾。広島、長崎ともB29爆撃機から投下された。
プルトニウム型核爆弾は小型化が容易だが原料のプルトニウムを得るには原子炉を稼働させなくてはならず、稼働させれば衛星監視ですぐに露見する。
これに対してウラニウム型だと原料のウラニウムを得るには遠心分離機を回すだけでよく、衛星監視では認識できない。北朝鮮は既に40発以上の核爆弾製造可能なウラニウムを蓄積しているとみられる。
小型化が困難なウラニウム型核爆弾だから、対日攻撃ミサイル・ノドンや対米攻撃ミサイル・テポドンには搭載できない。ウラニウム型核爆弾の標的は韓国など近隣諸国であろう。無人機に搭載して自爆攻撃が可能となる。
<[国連 4日 ロイター]北朝鮮の李東一(リ・トンイル)国連次席大使は4日、「新形態」の核実験について、世界は「成り行きを見守る」べきとの見解を示した。
次席大使は記者会見で「北朝鮮は新しい形態の核実験を実施するとを明確にした。それが何であるかは、成り行きを見守ることを勧める」と語った。
北朝鮮が3月26日に中距離弾道ミサイル2発を発射したことについて、国連安全保障理事会は27日、安保理決議違反だとして同国を非難。「適切な対応」について引き続き協議すると表明した。
これに対し、北朝鮮は30日、「新たな形態の核実験の可能性を排除しない」との声明を発表した。(ロイター)>
■北朝鮮 「新形態の核実験」強行示唆
<国連の北朝鮮の次席大使が記者会見を行い、国連の安全保障理事会が先週、北朝鮮による弾道ミサイルの発射を非難する報道向けの談話を発表したことに強く反発するとともに、対抗措置として、これまでとは異なる形態の核実験を強行する姿勢を改めて示唆しました。
北朝鮮のリ・ドンイル次席大使は4日、先週に続いてニューヨークの国連本部で記者会見を行いました。
この中でリ次席大使は、北朝鮮が朝鮮半島の緊張の緩和に努めているにもかかわらず、アメリカが過去最大規模の米韓合同軍事演習を行うなどして緊張を高めていると、改めて非難しました。
また、国連の安保理が先週、北朝鮮による弾道ミサイルの発射を非難する報道向けの談話を発表したことについて、「安保理の談話は違法で一切受け入れられない。安保理はむしろ緊張を高めているアメリカによる合同軍事演習を取り上げるべきだ」と、強く反発しました。
そのうえで、北朝鮮外務省が今週、安保理への対抗措置として、「新たな形態の核実験の実施も排除しない」とする声明を出したことについて、リ次席大使は「われわれは新たな形態の核実験を行う姿勢を打ち出しており、それがどのようなものになるか、見ていていただくことをお勧めする」と述べ、詳しい説明は避けながらも、これまでとは異なる形態の核実験を強行する姿勢を改めて示唆しました。(NHK)>
杜父魚文庫

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