15923 ウクライナ東部、一部が無政府状態に   古澤襄

■親ロシア派が勢力拡大  米ブルームバーグ
<5月1日(ブルームバーグ)ウクライナ東部では分離主義者が政府庁舎の占拠行動を拡大する中、無政府状態に陥りつつある。米国やその同盟国は、ロシアが緊張緩和に動かない場合は追加制裁を科すと警告している。
ドネツク州では1日、武装集団が検察局を急襲し、石やスタングレネードを投げ込んだ。またインタファクス通信によればスラビャンスクの反政府勢力は、先週拘束した国際監視員と捕られられている反政府勢力との交換について交渉を始めた。米国と欧州は、ロシアがウクライナでの混乱を扇動していると非難している。
トゥルチノフ大統領代行は4月30日に首都キエフで、「政府はドネツクやドネツク地域の一部での事態を掌握していない」と指摘。「ロシアが大陸で戦争を始めるという現実の脅威があるため、わが国の陸軍は全面警戒態勢に入っている」と述べた。
米国や欧州連合(EU)が対ロシア制裁を強化し、ロシア政府に対して緊張を緩和させるよう呼び掛けているものの、ウクライナ東部の混乱は悪化している。
内務省によれば、ウクライナ東部で建物が占拠されているのは10都市を超え、武装集団の人数は1000人に上る。また先日銃撃を受けたハリコフ市のケルネス市長はイスラエルの病院に入院中となっている。
スラビャンスクの反政府勢力はこの日、人質2人を解放したが、依然として50人以上を拘束している。この中には欧州安保協力機構(OSCE)の監視員8人が含まれる。インタファクスによれば、親ロ派が選出したスラビャンスク「市長」のポノマリョフ氏は、OSCE監視員と拘束されている反政府勢力を交換するため、ウクライナ政府と交渉している。
ドイツ政府の発表によると、メルケル首相はロシアのプーチン大統領と電話で会談し、大統領に対し人質解放に力を貸すよう要請した。一方ロシア政府によれば、プーチン大統領はメルケル首相に対し、現時点で「最も重要」なことはウクライナが南東部地域から軍隊を撤収させることだと述べた。(ブルームバーグ)>
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