■中国が価格の引き下げを求め・・・
<[上海 20日 ロイター]ロシアのプーチン大統領の中国訪問に同行しているドミートリイ・ペスコフ大統領報道官は20日、中国への天然ガス供給に関する交渉について、価格面でまだ折り合いがついていないと述べた。
同日中のガス供給契約の締結は見送った格好となったが、プーチン大統領が21日に訪中を終える前、あるいは今週後半にロシアのサンクトペテルブルクで開催される経済会議に合わせて合意に至る可能性は残されている。
ペスコフ報道官は「訪問はまだ終わっていない。協議を継続する。かなりの進展が見られるものの、価格面での調整がまだ残っている」と指摘した。
一方、中国の習近平国家主席は、ウクライナ情勢をめぐりプーチン氏の立場を支持。両首脳は会談後に公表した声明で、ウクライナをめぐる緊張を緩和し、「既存の問題に対する平和的、政治的な解決策」を求めた。また、ウクライナの問題は「国内問題」だとの見解を示した。
プーチン大統領の訪中をめぐっては、ロシアの国営天然ガス大手ガスプロムが30年にわたり中国石油天然ガス集団(CNPC)[CNPET.UL]に年間380億立方メートルの天然ガスを供給する契約が交わされることへの期待が高まっていた。アナリストは契約額を4000億ドル程度と予想している。
中ロ両国の交渉は長年にわたり価格面で折り合わずに平行線をたどってきたが、ウクライナ情勢を受けて欧州諸国がロシア産ガスへの依存度を引き下げようとしているため、脱石炭依存を図る中国とロシアの利害が一致したとみられる。
ただ、ガスプロムなどに近い関係筋は19日、同社が中国側に対し、2018年から始まる年間380億立方メートルのガス供給のために250億ドルの初期支払いを求めたと明らかにした。中国側はこれまでのところ、支払いを約束することをためらっているという。
中国が価格の引き下げを求めていることが原因で価格での合意がまとまっていない可能性が高い。
中ロ両国は共同声明で、エネルギー部門とインフラ開発で協力を強化すると表明。金融での連携を強化し、ルーブルおよび人民元建ての貿易の増加を目指すと宣言した。(ロイター)>
杜父魚文庫
16121 ロシア産ガスの価格面でまだ折り合いつかず 古澤襄

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