■反EU、反移民の新党はなぜEU議会選挙で、トップの得票を得たのか?
英紙ガーディアン(5月27日)に拠れば英国内で人種差別のレートが上向きになっていると伝えた。
英国では旧植民地からの意味が奨励された戦後、インド、パキスタン、ナイジェリアなどから大量に移民がおしかけ、くわえて欧州の政治情勢の変化でポーランドやコソボという国々からも移民が増えた。
97年香港返還では23万弱の香港市民の移民を受け入れた。このためロンドンは人種の坩堝となり、逆に人種偏見は激減していた。
英国全体をながめると世論調査における人種偏見のレートは2011年9月11日のテロ直後、イスラムへの偏見から26%に上昇、その後も漸増を示して08年金融危機のおりは雇用を外国人に奪われたとして移民反対の声が高まり36%をつけた。
しかしその後、ロンドン五輪までは漸減だった。2012年ロンドン五輪では27%へと激減したが、14年5月の世論調査で、30%を超えていた。
地域差も顕著でロンドンでは人種偏見は低いが、ヨークシャーから南西部、中部では人種差別が強くなり、とりわけ英国の場合はムスリムへの偏見が残存する。
またロンドンなどでは移民が多いため逆に黒人vsアジア系の対立が目立つようになった。
さきのEU議会選挙で「反EU」「反移民」を掲げたUKIP(英国独立党)が勝利を収めた背景に、こうした移民への対応の変化が第一に挙げられるだろう。
ちなみにEUのなかで、反EU、版移民の政党と得票は下記の通り
国名 政党名 得票率 ランク
~~~ ~~~~~~~~~~~ ~~~ ~~~~
英国 英国独立党(UKIP) 27・5% 第一位
フランス 国民戦線 25・0 第一位
イタリア 五つ星運動 21・2 第二位
ギリシア 黄金の夜明け 9・4% 第三位
ドイツ ドイツのための選択肢 7・0 第五位
杜父魚文庫
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