16234 公明党との連立維持が自民党の本音?   古澤襄

六月一日というのに真夏のような暑い日曜日。しかし日本維新の会、結いの党、みんなの党が入り乱れて電話で情報戦が繰り広げられている。
焦点の日本維新の会が分党で地図がどう塗り替えられるか、ざっとみて橋下系約30、石原系約20、中間派約10というのが、維新の衆院議員53人の色分けだが、これも日替わりメニューのように変わっているというから、参謀たちもあの手この手で客引きよろしく勧誘合戦に余念がない。
結いの衆院議員9人は結束しているが、みんなの衆院議員9人の方は大阪系が微妙な動きをしているという。
いずれにしても野党の中の”コップの中の嵐”だから、政局に与える影響はない。しかし、これが民主党の保守系議員にまで及ぶと、本格的な野党再編の口火になるかもしれない。日本維新の会、結いの党、みんなの党だけでなく、民主党筋も情報取りに加わっている。
その一方で石原新党がみんなを加えて30人規模になると、地下水脈で連立話が浮上すると公明党も神経をとがらせている。
公明党の衆院議員は31、連立のうまみを味わってきたから、安倍政権が連立相手に石原新党に乗り換えるのをみすみす許すわけにはいかない。
ここまでは衆院定数480(小選挙区300、比例代表180)の話だが、自民党は過半数241を大きく上回る295を単独で占めているから、衆院勢力だけをみれば連立相手がどこになろうとあまり影響はない。
むしろ参院地図がどうなるか、この方に関心があるのだろう。参院定数は242(選挙区146、比例代表96)。自民党の参院勢力は115、単独では過半数122に達していない。公明党20を加えて参院でも安定勢力を確保している。
ここで注目すべきはみんなの党の参院勢力13の動向である。これがそっくり石原新党と提携すれば、連立相手の交代論が現実のものとして浮上してくる。
とはいうものの”とらぬタヌキの皮算用”の話になりかねないから、やはり公明党との連立維持の方が安全運転ということになる公算が強い。維新のゴタゴタを横目で観望しながら、公明党との連立維持が自民党の本音ではないか。
杜父魚文庫

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