■インド洋米軍基地はミサイルの射程に入ったとイラン革命防衛隊幹部
新大統領になって対米姿勢にやや柔軟さがみえたかに移ったイランだが、「インド洋にあるディエゴ・ガルシア基地はミサイルの射程にある」とイラン革命防衛隊幹部のゾンサールが語った(フォックスニュース、6月10日)
この強気な発言の背景には次のような直近の展開がみられ、イランの姿勢に硬直化への揺れ返しとなったことが分かる。
第一にアフガニスタン攻撃への北からの重要補給基地だったキルギスのマナス空港に駐屯してきた米軍海兵隊2000名が撤退した。これは背後にロシアの外交圧力がビシュケク政府にかけられていたからだろう。
第二にイラクの重要都市モスルがアルカィーダ系軍事組織の手に落ちた。武装勢力はモスル市政府ビル、警察本部、空港治安部隊本部を陥落させた。6月10日である。
第三に同日までにパキスタンの商業都市カラチ空港が襲撃され、多数の死傷者がでたが、空港内にあった治安警察学校が破壊されていた。
第四に中国新彊ウィグル自治区で展開されている爆弾テロ事件の一部にアルカィーダ系組織の影があるが、従来のウィグル自治区に限定されてきた攻撃が、全中国規模に広がってきた特色があり、背後に国際的な支援組織との連帯が見られることである。
どうやらイスラム過激派は世界的規模で一斉攻勢に転じたのではないのか。
杜父魚文庫
16329 イスラム過激派、世界的規模で一斉攻勢に転じた 宮崎正弘

コメント