これからはイスラエル・ニュースにも目を通しておく必要がある。中東情報はフランスのAFP、イギリスのロイターが伝統的に強いが、最近ではアメリカのウォール・ストリート・ジャーナルそれとイスラエル・ニュースも日本では報じられない重要情報が入手できる。
たとえば<イラクのモスルを占拠したISILに、現地にあるトルコ領事館の総領事を含む職員48人を拉致されたと、トルコ政府が発表。(P)>はイスラエル・ニュース。(P)とはイスラエルのエルサレム・ポストのことである。
ISILの猛進撃によってトルコまで巻き込まれている。だが、イスラエル・ニュースではイランがイラクに派兵したことをまだ伝えていない。
<イラクの第二の都市モスルを、アルカイダ系の武装組織ISIL(ISISとも表記される)が掌握。この勢力はシリアでも支配地域を広げており、米政府をはじめ欧米諸国などが懸念を表明。(P,Y,H)>。(P,Y,H)のYはイディオット・アハロノット、Hはハアレツだから、イスラエルの三紙が報じている。
日本ではアルカイダ系の武装組織のことを「ISIL」とも「ISIS」とも表記している。宮崎正弘さんは「ISIL(イラク・レバントのイスラム圏)」、読売は「ISIS」。これもイスラエル・ニュースは「アルカイダ系の武装組織ISILは(ISISとも表記される)」と丁寧に解説している。
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2014年 6月11日(水)
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*イラクの第二の都市モスルを、アルカイダ系の武装組織ISIL(ISISとも表記される)が掌握。この勢力はシリアでも支配地域を広げており、米政府をはじめ欧米諸国などが懸念を表明。(P,Y,H)
*西欧との核協議で、イランが約2万基の遠心機の導入を主張。「合意したければイランは諦めるしかない」とフランスの外相は発言。(Y)
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2014年 6月12日(木)
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*イラクのモスルを制圧した武装組織ISILが、首都バクダッドへの進撃を宣言。危機に瀕するイラク政府は、武装組織に空爆を行うよう米政府に要請したが、米政府は断ったと米誌が報じた。(H,P)
*イラクのモスルを占拠したISILに、現地にあるトルコ領事館の総領事を含む職員48人を拉致されたと、トルコ政府が発表。(P)
*エジプトが、イスラエルの同意を得てシナイ半島のイスラエル国境付近に歩兵大隊を派遣。エイラートへのテロ攻撃を防ぐため。(H)
*米政府がシリア内戦の反政府勢力に提供している武器は、対空ミサイルは含まず、対戦車ミサイルと弾薬などであることが判明。(H)
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2014年 6月13日(金)
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*核協議を行っているイランの副外相が、7月20日までに合意をまとめられなければ、20%のウラン濃縮を再開すると宣言。(H,P)
*イラク駐在の国連担当者が、安保理の協議にビデオで参加。武装組織ISISが直ちにバグダッドに侵攻する可能性は低いと報告。(H)
*ドイツで「イスラエルのパレスチナ人に対する行動は、ナチスのユダヤ人に対する行動と同じ」と考える人が約半数に達しているとの調査結果を受け、ドイツの内務省が反ユダヤ主義について研究へ。(P)
*イスラエル北部の刑務所で服役中のイスラム聖戦のテロリストが、脱獄を目指して4mのトンネルを掘っていたと刑務所が発表。(P,Y)
*パリのユネスコ本部で、ユダヤ人とイスラエルの歴史的関係を示す展覧会が開幕。アラブ諸国の大反対で中止になりかけたが「中止すればユネスコはアラブの手先になる」との説得で開催された。(Y)
杜父魚文庫
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