■オバマ米大統領が決める
【ワシントン】オバマ大統領は、イラクで勢力を拡大しているイスラム教スンニ派過激組織に対する空爆を当面見送る方針を決めた。 代わりに、イラク軍への情報提供などの戦略を通じ、イラクの政治的分裂に対処するとともに地域の同盟国による支持を求めていく考えだ。
オバマ大統領は18日に上下院の共和党・民主党指導部とホワイトハウスで会談し、こうした包括的アプローチを説明する。
オバマ大統領は、戦闘の流れを変えるような攻撃を行うための十分な情報を米軍が持っていないことから、当面は空爆を避けたい考え。政権幹部は、こうしたアプローチがスンニ派の暴力行為やイラク軍の崩壊を招いた根本的原因に対処することになると主張している。
オバマ政権の高官は「大統領が重視しているのは包括的な戦略で、迅速な軍事対応ではない」とし、「軍事的な措置を講じる可能性もあるだろうが、もっと広範な取り組みを進めていく」と述べた。
米当局者によると、オバマ大統領は最終的に空爆を見送る可能性がある。ここ数日、イラク北部や西部で勢力を拡大しているイスラム教スンニ派の武装組織「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」に対抗するため、米国にとって空爆が主な選択肢になるとみられていた。
空爆は依然として積極的に協議されているが、当局者は、オバマ大統領は軍事行動をすぐに選択肢とはしないとの見通しを示した上で、時間をかけて幅広い対応のなかで具体的措置を発表する可能性があると明らかにした。
米高官によると、ホワイトハウスと国防総省は、空爆の効果について懐疑的にみており、情報提供やイラク軍への助言を行う特別作戦部隊の配備を検討している。(米ウォール・ストリート・ジャーナル)
杜父魚文庫
16406 米国、イラクでの空爆は当面見送り 古澤襄

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