■NATO事務総長
(NATO)のラスムセン事務総長は19日、ロシアがウクライナ国境付近で再び軍備増強しているとの見方を示し、「極めて残念な事態の後退」と批判した。
ラスムセン事務総長はロンドンの英王立国際問題研究所(チャタムハウス)で講演し、ウクライナ国境付近で「少なくとも数千人のロシア軍兵士」が増派されていることを明らかにした。
ウクライナや西側諸国の首脳によると、ロシア軍はこれまでウクライナ国境付近に最大4万人の兵士を配備しており、ロシアがウクライナ侵攻に向けた準備をしているとの懸念が高まっていた。だが、ロシアのプーチン大統領は今月、ノルマンディー上陸作戦70周年記念式典後に軍隊の撤退を命じ、ウクライナをめぐる対立解消に向けた動きだと受け止められていた。
しかし、たとえ数千人でも兵士が再展開されたことで、ウクライナのポロシェンコ大統領が提示した和平案が合意される可能性に影が差した。また、ウクライナが国境を再び政府管理下に置く難しさが示された形となった。
ラスムセン事務総長は「これは極めて残念な後退で、ロシアは介入拡大の選択肢を残しているようだ」と述べた。
ロシアからウクライナへの武器や兵士の流入を防ぐための国境封鎖に向けた軍隊配備は「残念なことに」進んでいないとした。
ロシア政府からのコメントは現時点で得られていない。
ラスムセン事務総長は、ロシアが介入を拡大するのであれば、国際社会は「より踏み込んだ制裁」を含め断固として対応しなければならないと訴えた。(米ウォール・ストリート・ジャーナル)
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16414 ロシア軍、ウクライナ国境で再び増派 古澤襄

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