■クルド族は「独立」の住民投票を行うと宣言
五月に行われたトルコ総選挙で大勝したトルコ与党の集会(7月1日)に臨んだエルドガン首相は、八月十日に予定される大統領選挙へ正式に立候補を表明した。
野党は反発するが、連合を組めず、第一回投票でエルドガンが過半数を得る見通しが立ったという。
エルドガンは「勝敗の決め手はクルド族との和解にあり、クルドの支持を得られるだろう」とする見通しを語り、クルドの票の行方に重点をおいている。
他方、混乱するイラク情勢、過激派ISISの跳梁跋扈が一休み中だが、この間隙を縫って、クルド自治区のマスード・バルザニ(自治政府議長)が記者会見し、「数ヶ月以内に住民投票を実施して、独立を問う」と豪語した(7月1日)。
「もちろん選挙管理委員会を組織化することから着手するので実際の投票実施までに数ヶ月の時間を要するが。。。。。。」と日程を明示することは避けた。
しかしクルド独立をめざす動きをイスラエルが賛成しており、クルド自治区の住民投票実施に反対するイラク中央政府はマリキ政権の指導力低迷、オバマ政権が見限ったタイミングを絶妙に捉えていることになる。
トルコもクルドの独立を脅威視しており、「独立をめぐる住民投票は地域の不安定化に結びつきが、けっきょくトルコ国内も不安定となる要素が多大で、イスラエルを利するだけだ」とした。
杜父魚文庫
16484 エルドガン(トルコ首相)、八月大統領選挙へ出馬宣言 宮崎正弘

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