韓国では中国に親しみを感じる人が増えており、国賓として3日に訪韓した中国の習近平国家主席にとって、非常に心地よい滞在になりそうだ。
ソウルのシンクタンク、峨山政策研究院の最新調査によると、中国を「協力すべきパートナー」と見ている韓国人の割合が61%となり、「競争相手」と答えた33%を大きく上回った。同研究院は2013年1月から毎月、韓国人1000人を対象に調査を実施してきたが、今回は中国をパートナーと見なす割合が過去最高水準に近づいたという。
また、ここ数カ月の調査から、中国をパートナーと見なす韓国人の割合が安定的にピーク水準に近づいていることが確認できる。
韓国と中国との間には目立った領有権争いがないばかりか、両国には日本と歴史問題を抱えるという共通点がある。
韓国人は、中国が長年の友好国だった北朝鮮からゆっくりと距離を置き始めていると感じている。一方、戦争が起こった場合に中国が北朝鮮を助けるかについては、意見が真っ二つに割れている。
中国が北朝鮮を支援するだろうと答えた韓国人の割合は35%にとどまり、2012年の76%から大きく低下した。統計手法の違いはあるものの、習政権が成立した2012年11月以後、核実験を強行した北朝鮮に中国が厳しい姿勢を示しているという見方が数字に反映されたと、峨山政策研究院はみている。
もちろん、韓国人が完全に中国を信頼しているわけではない。中国の台頭は直接的には韓国の脅威とならないが、中国の急速な軍拡が北東アジアの緊張を高めるとの意見がある。既存の紛争を一段と悪化させ、米国との競争をあおり、地域の軍拡競争の引き金になるという懸念だ。
経済面でも、中国にポジティブな見方ばかりではない。中国企業は競争力を高めており、韓国企業のライバルになるか韓国企業を追い越す恐れさえあるからだ。
峨山政策研究院の調査では、中国が経済的脅威になると答えた韓国人が72%と、2年前の53%から上昇した。(米ウォール・ストリート・ジャーナル)
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