[北京 8日 ロイター]米政府の高官は8日、今週北京で開催される米中戦略・経済対話でサイバーセキュリティー問題での2国間協力を再開するよう中国に求める意向を明らかにした。
9日に始まる対話には米側からケリー国務長官やルー財務長官などが出席する。
米国は5月に、米企業にハッカー攻撃を行ったとして中国軍関係者5人を訴追。中国はこれに反発し、サイバー問題に関する米中の作業部会の活動を停止した。
米政府高官は、北京に向かう途中で記者団に対し、「われわれは米中作業部会が、責任を果たし前進するための重要な会合になると考えており、できるだけ早い実務の再開を望んでいる」と述べた。
別の高官は、米国は産業スパイ目的のサイバー攻撃は行っておらず、双方の見解に相違があると指摘。「中国側と明確に見解を一致させる必要がある」とした。
ただ、米国家安全保障局(NSA)の元契約局員、エドワード・スノーデン容疑者が暴露した米当局による情報収集活動を念頭に、中国側は反発するとみられる。
中国の鄭沢光・外務次官補は7日、中国軍関係者の訴追について、米側が事実をでっち上げたと主張。「米側はインターネットセキュリティーの問題を対話と協力を通じ解決することに誠実な姿勢を示していない」とした。
米高官はまた、南シナ海などでの領有権の主張をめぐり、中国や他の諸国に対し国際法と矛盾がない形で主張を明確にするよう求める方針を明らかにした。
高官は「主張の不明確さは不安定化につながり、対立や衝突を引き起こす可能性があるというのが、われわれの理解だ」と述べた。
米中戦略・経済対話ではこの他に、人民元や投資協定に焦点が当てられる見通し。(ロイター)
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16539 米国、中国にサイバーセキュリティー問題での協力再開を要求へ 古澤襄

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