■世銀は医療モデルの改革促す 米ウォール・ストリート・ジャーナル
裕福になっている中国よ、おめでとう。ところで、血圧はどんな具合だろう?
中国では数億人の国民が貧困を抜け出し、ますます裕福になっているが、先進国に特有の生活習慣病を患う国民も増えている。世界銀行は8日、医療分野の改革を主眼に中国政府と協力して大掛かりな調査を実施する計画を発表した。
この調査は、人口の高齢化や中間層の拡大が進む中、12億人に上る国民に低価格で質の高い医療を提供することに加え、将来的に他の新興国のモデルとなり得る一連の提言を示すことを目指す。
世銀のジム・ヨン・キム総裁は「中国が今日直面する課題の多くは、高所得諸国が数十年間直面してきた問題に似ている」と指摘。「中国は新たな医療モデルを展開し、それを大規模に実施することによって、長年直面してきた問題を解決する機会を有している」との見方を示した。
中国では現在、慢性的な生活習慣病は疾患全体の80%を占めている。世銀によると、高血圧を患う中国人は2億人を超えており、9000万人以上が糖尿病にかかっている。
医学雑誌「ランセット」が5月に発表した研究では、中国で肥満の人々は6200万人に達していることが明らかになった。国別では、米国(肥満人数8690万人)に次ぎ、世界で2番目に多い。もっとも、米国の人口が中国の約4分の1であることを考慮すると、人口当たりの肥満の割合では米国が断然トップを走っている。
中国は最近、医療にますます多くの支出を割いている。世銀のキム総裁は、中国の医療セクターは経済全般以上に速いペースで拡大していると指摘した。それでも、世銀はこうした努力は十分ではないとの見方を示している。(米ウォール・ストリート・ジャーナル)
杜父魚文庫
16542 中国人の肥満が急増 古澤襄

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