■野党に秋波も抵抗根強く
生活の党の小沢一郎代表がかつての存在感を失いつつある。自民党による「1強多弱」の打破を目指し野党結集を呼びかけるが、けんか別れをした民主党は笛吹けども踊らず。野党再編に前向きな日本維新の会の若手とも交流を重ねているものの、政党をつくっては壊した“小沢アレルギー”は今も政界に蔓延(まんえん)している。
「政権交代は夢物語ではなく、お互いが力を合わせれば必ず次の衆院選で政権を担うことができる」
東京・新宿の日本青年館で20日に行われた自身が主宰する「小沢一郎政治塾」の夏季集中講義。小沢氏は約40人の受講生を前に、安倍晋三政権への批判と野党再編の必要性を力説した。
生活の国会議員は衆参合わせても9人。100人を超えた民主党時代の小沢グループの勢いは見る影もなく、巨大与党に対抗するには野党再編が不可欠だ。
小沢氏が特に注目するのが野党再編に熱心な日本維新の会だ。6、7月に橋下徹共同代表に近い若手議員と懇談を重ね、「維新が結いの党やみんなの党との合流に向けてうまくやれば間違いなく民主党はついてくる」と鼓舞した。
だが、小沢氏の訴えにも民主党は冷ややかだ。平成24年に消費税増税に反対して党を飛び出し、政権を失うきっかけをつくった小沢グループへの不信感は消えていない。海江田万里代表と小沢氏の党首会談も「また小沢氏に取り込まれるのか」との懸念が民主党内に渦巻き、実現していない。
維新も生活との合流には懐疑的だ。小沢氏と懇談した若手は「民主党の内情を小沢氏から聞くことは有意義だ」と話す一方で、維新幹部は「“政界の壊し屋”への不信は強い。合流はない」と断言する。小沢氏復権の道のりは険しい。(産経)
杜父魚文庫
コメント