ベトナムを訪れている岸田外務大臣は、ミン外相と会談し、南シナ海の領有権を巡るベトナムと中国の対立を受けて、海洋秩序の維持の重要性を確認するとともに、巡視船として使用できる船舶6隻を供与する総額5億円の無償資金協力を行う方針を伝えました。
この中で岸田外務大臣は、ベトナムと南シナ海の海域で領有権を争う中国が、ことし5月に石油の掘削装置を設置してから続いている両国の対立について、「自制的な対応と対話による解決を模索する姿勢を評価したい」と述べ、ベトナムの対応を支持する考えを伝えました。
これに対し、ミン外相は「日本が国際社会の中で国際法に基づく問題解決の重要性を繰り返し訴えていることに感謝したい。南シナ海の平和と安定に向けて、継続的な支援をお願いしたい」と応じ、法の支配に基づいた海洋秩序の維持の重要性を確認しました。
そして岸田大臣は、ベトナムの海上警備能力の向上に協力するため、ODA=政府開発援助を通じて、巡視船として使用できる中古の漁業取締船など船舶6隻を供与する総額5億円の無償資金協力を行う方針を伝えました。
さらに会談では、岸田大臣が集団的自衛権の行使容認を閣議決定したことなど日本の安全保障政策を説明して理解を求めたのに対し、ミン外相は「地域や世界の平和と安定のために、日本が積極的、建設的に貢献することを支持したい」と述べました。(NHK)
杜父魚文庫
16735 ベトナムに巡視船用の船舶6隻を供与 古澤襄

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