読売新聞の四面で森喜朗さんが「石破幹事長 続投がいい」と語っている。「(改造では)安全保障法制の担当相でもいいが、幹事長の方がより政権は安定するのではないか」と言って、「安倍政権にとって最大の壁は、11月の沖縄県知事選でしょう」と指摘する。
沖縄県知事選の保守系候補が三人乱立の方向だから、この候補者調整の説得ができるのは、石破さんしかいない・・・というのが森さんの石破幹事長続投論の根拠となっている。
「政界を引退した人が余計なことをいう」と早速、反論があった。
石破幹事長は来年春の統一地方選挙までは幹事長を続投のつもりでいる。統一地方選挙が終わったら、九月の自民党総裁選挙に立つ本格的な準備に入る。「森さんの石破続投論は安倍から石破に乗り換えるサインですかね」と反論者は皮肉たっぷりに言っていた。
来年九月の自民党総裁選挙で安倍再選の道筋はまだ確立していない。
保守政界の女帝・辻トシ子さんは「安倍の命運は尽きた」と新年早々に言っていた。たしかに特定秘密法案、集団的自衛権、武器輸出三原則の見直しなど今年になってからの安倍政権は支持率の低下を覚悟のうえで歴代保守政権が逃げてきた懸案に挑戦している。
アンチ安倍の古賀誠元幹事長は集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案の審議について、政府が来春の統一地方選後で検討していることを「政治の王道から外れる」と批判した。額面通りに受け取るわけにはいかない。
統一地方選の前の国会で集団的自衛権関連法案を上程して火だるまになることを期待しているとみるべきだろう。
”一強多弱”の政治状況の中で、自民党内のタカ派ハト派が入り乱れた権力闘争が始まった。外交路線でも親中国派が勢いづいている。
内閣支持率が40%を切ることになれば、党内のアンチ安倍派が一斉に動きだすだろう。それをどう切り抜けて安倍再選の道筋をつけるのか、安倍氏にとって正念場を迎えることになる、
杜父魚文庫
16745 「石破幹事長 続投がいい」と森喜朗さん 古澤襄

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