16865 ロシア「救援」車両280台、夜に国境到着へ    古澤襄

■ウクライナは入国不許可
8月12日(ブルームバーグ):ウクライナは12日、人道的な支援物資を届けるとしてロシアが派遣したトラック280台の入国を認めない方針を示した。現状のままでは国際的な取り決めに従っていないとし、支援団を赤十字が率いるルールを理由に挙げた。
ロシア非常事態省によると、食料や医薬品、飲料水2000トン相当を積んだトラックが同日モスクワを出発し、ウクライナ東部の親ロシア派勢力が占拠する地域へ向かった。ウクライナ軍スポークスマンのアンドリー・リシェンコ氏は、トラックには支援物資に見せ掛けて軍装品が積まれていると指摘。赤十字国際委員会(ICRC)はトラックは現時点で同委員会の管理下にないとし、積載物に関する詳細な情報を求めたことを明らかにした。
ICRCの欧州部門責任者、ローレント・コルバス氏はウェブサイトに掲載されたビデオで、「こうした活動を始める前に、実行されるべき手順や具体的なステップに関して情報を明確にしておくこと」が必要だと指摘。「例えば安全性の保証、また全当事者との直接的な接触が真剣に必要とされる。これがまだ済んでいない。トラックの中身やこの輸送トラック部隊の規模、引き渡されるさまざまな物資について正確に把握する必要もある」と続けた。
ウクライナのポロシェンコ政権の高官、バレリー・シャリー氏は「われわれのスタンスは次の通りだ。ウクライナ領におけるロシアの車列のいかなる通行許可も検討していない」と発言。赤十字が所有あるいはレンタルしたトラックのみが入国を認められ、軍用車列が入国を試みればウクライナはこれを「侵攻」と見なすと述べた。
コルバス氏によれば、トラックは12日夜に国境に到着予定とロシアは話している。ロシア外務省はウェブサイトで、ロシアの車列はベルゴロドとハルキウの国境にある検問所を経由する予定だと説明。そこからは「赤十字国際委員会の指揮の下」で目的地に向かう計画で、ロシアはウクライナの要望に従っていると表明した。
赤十字はウクライナおよびロシアと「常時連絡を取っている」とコルバス氏は指摘。「彼らはわれわれの要求を分かっている。われわれは彼らの対応を待っている」と続けた。(ブルームバーグ)
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