16998 「米国は慎重に力を行使すべき」と    古澤襄

■オバマ米大統領が自説を曲げず
オバマ米大統領は26日、ノースカロライナ州シャーロットの米国在郷軍人会会合でスピーチを行ったが、①米国は自らの力を慎重に行使すべきである②国際的な支援なしに単独で進もうとしてはならない③米国はイラクでの地上戦に引きずり戻されない・・・と言明した。
オバマ氏の意向を受けてホワイトハウスはシリアでの軍事作戦の可能性についオバマ氏は決定を下していないとしているが、この日のスピーチでも空爆を拡大する見通しや政権が検討中の選択肢には言及しなかった。
米政権内には、このようなオバマ氏の慎重姿勢についてイスラム国の過激行動を招くという批判も存在する。11月の米中間選挙で米国民がオバマ・ドクトリンにどのような反応を示すだろうか。
<米政権がイスラム過激派組織「イスラム国」との戦いをシリアに拡大することを検討するなか、オバマ大統領は26日、米国は自らの力を慎重に行使すべきであり、絶対的に必要でない限り米国人を危険にさらすべきではないとの考えを示した。
オバマ氏は、ノースカロライナ州シャーロットの米国在郷軍人会での講演で、「歴史からわかるように、余りに範囲を拡大したり手を広げたりすることや、国際的な支援なしに単独で進もうとしたり、結果を考えずに軍事的冒険に走ったりすることは危険だ」と述べた。
さらに、「世界になくてはならない国」である米国は賢明に先導しなくてはならないとし、米国はイラクでの地上戦に引きずり戻されないと言明。究極的にはイラク人が自ら安全を確保すべきだとの考えを示した。
米政権には、イラクで展開してきた空爆以上の軍事作戦に乗り出す準備をしている兆しがある。ある政権幹部によると、オバマ氏はイスラム系の標的に関する情報を集めるため、シリアでの偵察飛行を承認した。しかし、ホワイトハウスのアーネスト報道官は26日、シリアでの軍事作戦の可能性について、オバマ氏は決定を下していないと述べた。
オバマ氏はこの日、空爆を拡大する見通しや政権が検討中の選択肢に言及しなかった。だが、イラクの危機に対する答えは、大規模な軍隊を送り込むことでも他国を長期にわたり占領することでもないと指摘。こうした動きは最終的には過激主義につながるとの考えを示した。
一方、イスラム国の戦闘員と米国人を脅かす相手に対しては厳しい言葉を浴びせた。「わが国民を害するものに対するメッセージは単純だ。米国は忘れないということだ」とし、「われわれは守備範囲が広く、辛抱強い。正義はなされる」と述べた。(米ウォール・ストリート・ジャーナル)>
  
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