17011 新幹事長は河村建夫選対委員長か?    古澤襄

▼こぶしを振り上げておいて「なーんだ」という気がしないでもない。側近と称する家の子・郎党がメデイアを使ってあれこれ注文をつけるのは、人事をめぐる駆け引きで許される。だが石破氏がみずからラジオ番組で安保担当相を固辞すると述べたとなると話は違ってくる。
▼人事権を持つ総理大臣に注文をつけるのは前代未聞で許されることではない。お手討ちものであろう。それだけ石破氏は追い詰められていたといえる。いっぺんに男を下げてしまった。党内から批判が噴出して孤立を怖れて方針転換を余儀なくされた。しばらくは雌伏するしかない。
▼しかし官邸主導の安倍政権と言いながら、いまもって党の要となる後任の幹事長の顔が見えないのは面妖である。幹事長は地方県連のたばね役だからやはり影響力が見逃せない。選挙ともなれば幹事長は全国を飛び回らねばならない。本命といわれた岸田外相の幹事長就任は早々と外相留任になってしまったので、よけい幹事長人事が見え難くなっている。
▼政界消息通にいわせると林芳正農水相が参院議員でなければ、幹事長の大本命だったという。東大法学部、米ハーバード大学大学院研究生、政界入りして参議院外交防衛委員長、防衛相、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)と自民党切っての政策通であり、論客でもある。
▼それなら早く衆院に鞍替え出馬すれば良さそうなものだが、山口3区は河村建夫氏の選挙区だから鞍替えが思うようにならない。将来の総裁候補として安倍周辺から警戒されているという噂も飛び交う。53歳だから慌てる必要はないのだが・・・。いずれにしても知性派の政治家として将来が注目に値する。
▼その河村建夫氏だが、地味な存在ながら選対委員長として手堅さが買われている。秋の福島、沖縄両県知事選と来春の統一地方選と”地方選挙の季節”に入るから実務型の幹事長として安倍首相は白羽の矢を立てるかもしれない。
▼大物幹事長を物色すれば二階俊博元経済産業相の名前も挙がるが、官邸サイドからは「大物過ぎて党の力が強くなり過ぎる」と警戒する向きが多い。さりとて巷間伝わる小渕優子元少子化担当相の幹事長起用は奇抜過ぎてないだろう。さてどうなるか。
杜父魚文庫

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