安倍晋三首相(59)は2日、今日3日に行う内閣改造&自民党役員人事で最大の焦点だった党幹事長に、総裁経験者の谷垣禎一法相(69)を起用する方針を固めた。
谷垣氏は、自民党が2009年衆院選で野党に転落した後の約3年間、総裁を務めた。自民党総裁経験者が、NO・2の幹事長に就くのは初めて。ある意味サプライズといえる。
谷垣氏は総裁時代、消費税増税をめぐり民主党、公明党と3党合意。当時の野田佳彦首相から「近いうち(に信を問う)」の言葉を引き出し、その後の衆院解散、政権交代につなげた。首相は年内に、3党合意で決めた消費税10%増税に踏み切るか、決断を迫られる。谷垣氏はかねて10%実施を進言。
起用は、首相が「増税シフト」に軸足を移したためとの見方もある。
谷垣氏は再選を目指した12年の総裁選直前、当時の石原伸晃幹事長の出馬表明で、自らは出馬辞退に追い込まれた。「平成の明智光秀」と呼ばれた石原氏を総裁選で破ったのが、首相だったという縁がある。
来秋の総裁選再選を目指す首相にとって、ライバルで緊張関係にあった石破茂幹事長のようなタイプは、避けたかったのが本音。ベテランで年長者の谷垣氏は、早い段階から首相の「意中の人」だったとみられる。官邸と党の連携強化を目指す狙いもあるようだ。谷垣氏との間には政策などに対して考えの違いもあるが、幅広い人材を登用し党内結束をはかりたいとの思惑もみえる。
首相周辺は幹事長人事で、徹底した「かん口令」を断行。一時、小渕優子元少子化担当相(40)ら若手議員のサプライズ起用も模索したが、「時期尚早」の声もあって見送った。
◆3日の流れ 首相は午前、自民党新役員を正式に決定。午後、公明党の山口那津男代表と会談した後、組閣本部を設置。閣僚名簿の発表は午後2時すぎの予定。皇居での認証式を経て第2次安倍改造内閣が発足する。首相は夜に記者会見し、改造内閣の目的などを説明する。(日刊スポーツ)
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17053 谷垣幹事長 「増税シフト」か 古澤襄

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