17080 菅官房長官 喜ぶのはまだ早い    古澤襄

■朝日、産経、NHK、時事の世論調査がどう出るか
六日以降、安倍改造内閣の支持率・世論調査を発表するのは、朝日新聞、産経新聞、NHK、時事通信であろう。どういうデーター分析が為されるか興味がある。世論調査はメデイアの恣意的な好悪感で時の政権の支持率を操作するものでないし、そのような操作はできない。恣意的な操作はメデイアの自殺行為になるからである。
ただ言えるのは安倍改造内閣が10%の消費増税を行うと判断して、「増税改造内閣」を決めつけて世論調査の質問の項目に重点を置くのと、「経済再生」や「地方創生」、「安全保障法制の整備」、「女性の閣僚への積極登用」など重要課題に取り組む点にポイントを絞った質問をするのとでは、おのずから回答が異なる。
それは意図的な世論誘導の操作とは言えない。改造内閣が10%の消費増税を断行する可能性があるからである。年内にその方向性が明らかになる。ただ現時点で増税改造内閣と断定してしまうのは、いかがなものであろうか。改造は増税を主目標として首相が断行したのではない。あくまで経済再生が目標である、
共同通信は前者、つまり年内に10%の消費増税の方向性が出るとみているのであろう。たしかに麻生財務相、谷垣幹事長は増税路線を考えている。だが安倍首相の経済ブレーンである浜田宏一・米イエール大名誉教授(内閣官房参与)は、2015年10月に予定されている消費税率2%の引き上げは、1%ずつ段階的に引き上げも選択肢に入れるべきだと慎重論を唱えている。
私はむしろ消費税の段階的上げが、地方統一選挙を控えて政治論として強まるとみている。日本経済新聞や読売新聞は、そのあたりの判断があるから10%の消費増税について慎重な見方をしているのであろう。経済再生が軌道に乗れば、消費税の段階的上げに対する国民の反発も少しは和らぐかもしれない。
さて、これから世論調査を発表する朝日新聞、産経新聞、NHK、時事通信が、このあたりをどう見ているか興味深い。この四社が共同通信と似た調査結果を出せば、安倍政権は一気に年内に10%の消費増税の方向性を出すことが出来るだろうか。私はかなり困難になると見ている。
それを強行突破すれば、内閣支持率も読売(64% 13ポイント増)日経(60% 11ポイント増)から毎日(47% 横這い)のダウン伸び悩みになりかねない。よくても共同(54・9%)にとどまるであろう。
菅官房長官は内閣支持率が上昇したのを「国民の期待が支持率上昇につながっている。安倍首相を先頭に、東日本大震災からの復興や経済再生を着実に実行に移し、期待に応えていきたい」と胸を張ったが、喜ぶのはまだ早い。
杜父魚文庫

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