17084 ウクライナ停戦合意…親露派と署名、期限定めず     古澤襄

■停戦の発効後もドネツク市内では銃撃音
ウクライナ政府と親ロシア派武装勢力の代表が5日、停戦で合意したが、これが恒久的な停戦が実現し、和平の定着に向かうかどうかは予断を許さないのではないか。
ウクライナ大統領は日本時間6日午前零時以降、ウクライナ軍に戦闘停止命令を下した。だが6月と7月に一時、停戦が成立したものの約1週間で崩壊している。たしかに過去二回と違ってウクライナ政府と親ロシア派武装勢力の代表が停戦の合意文書に署名している。
しかし肝心のロシア側はプーチン大統領の行動計画を下敷きにして、政府軍と武装集団の撤退、捕虜の交換、人道支援物資の供給を盛り込んだとしているが、数千人のロシア軍兵士の撤退について触れていない。むしろ人道支援物資の供給を理由にウクライナ東部に合法的な影響力を残す可能性すらある。
米欧側には今回の停戦について懐疑的な見方すらあるという。火種は残っていると見るべきだろう。
【モスクワ=田村雄】ウクライナ政府と同国東部の親ロシア派の武装集団の代表は5日、ベラルーシのミンスクで停戦に合意し、文書に署名した。停戦は現地時間5日午後6時(日本時間6日午前0時)に期限を定めず発効した。
停戦はロシアのプーチン大統領が3日に示した行動計画を双方が受け入れて成立した。インターファクス通信は、合意文書には停戦、政府軍と武装集団の撤退、捕虜の交換、人道支援物資の供給などに関する合意が盛り込まれたと伝えた。
ドネツク州の武装集団の幹部はツイッターに「ウクライナ東部での戦闘を停止した」と書き込んだ。しかしインターファクス通信によると、停戦の発効後もドネツク市内では銃撃音が響いているという。
4月に始まった戦闘は、6月と7月に一時、停戦が成立したが、いずれも約1週間で崩壊した。今回は初めて当事者が停戦文書に署名しており、長期的に停戦が守られ、ウクライナ情勢の安定化に結びつくか注目される。
しかし、プーチン氏の提案はウクライナに展開しているとされる数千人のロシア軍兵士の撤退について触れていなかったため、今回の停戦について米欧には懐疑的な見方もある。(読売)
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