17105 アリババの馬雲ほか中国の「通信富豪」三傑は江沢民派    宮崎正弘

■アリババ上場は二兆五千億円規模。創業者利益の最大株主は誰だ?
アリババのNY株式市場上場(正確にはIPO=新規株式公開)は、史上空前の規模となりそうで、フェイスブックの記録を書き換えるだろう。
9月18日に予定される上場時に、時価総額はアマゾン・ドット・コムと並び、グーグル、フェイスブックに猛追するかたちになる。
いうまでもなくアリババは中国最大のネット通販、そのシェアは八割を超え、筆頭株主は孫正義の「ソフトバンク」である。つまり最大の裨益者は日本企業という皮肉!
創業者の馬雲は通販ビジネス成功の勢いに乗って盛んにM&A作戦を展開し、映画製作、百貨店、サッカーチームにまで経営の手を広げた。馬雲は世界的なビジネスリーダーとなり、神話も生まれた。
本社は浙江省杭州市。ハイテク団地に近い川岸に巨大な本社ビルがある(筆者も何回か目撃しカメラに収めた)。
中国の通信ビジネスで大成功を収めたのはこのアリババと、「騰訊」、そして「百度」だ。アリババのCEO馬雲は個人資産が218億米ドルといわれ、江沢民の孫、江志成と「親密」な関係が指摘されている。
江志成は米国留学後、香港へあらわれて「博裕ファンド」を設立した。
この江沢民の孫ファンドがアリババの相当数の株主であることが分かっている。また、このファンドが馬雲のすすめるベンチャー・ビジネスに出資しているとも云われ、持ちつ持たれつのズブズブ関係がある。
おりから江沢民の子分だった周永康ら「石油派」が失脚し、江沢民は捲土重来を期していると囁かれている。
中国富豪第2位は「騰訊」の創始者、馬化騰である。個人資産163億米ドル。やはり江沢民派とただならぬ関係があり、江沢民の親戚(姪らしい)の女性が同社の幹部となって、報道、ネットの意見に目を光らせているという。
第三位は検索エンジンの「百度」だ。
その創始者は李彦宏と言い、個人資産158億米ドル。習近平、薄煕来の権力闘争にからみ、江沢民派に近いため競合する米国の「グーグル」の中国に於けるビジネスを比較劣位とするため、強い政治コネクションが必要だったとされる。
政争後、百度は検索エンジンの「習近平」などを解禁したが、噂によれば、中国共産党に2億3000万元(邦貨換算で41
0億円前後)を献金させられたという。
いずれにせよ、中国共産党はネット監視を強めており、ネット上の表現の自由は厳しく監視されていることは周知の事実。検索エンジンからは多くの語彙や用語、人名、事件などが消されている。
富豪三傑は、かように共産党と共存しているのである。
杜父魚文庫

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