17226 スコットランド住民投票は独立を否決、支持派が敗北認める    古澤襄

世論調査の想定の範囲といえば、それまでだが、スコットランド独立を心情的に支持する人たちも独立すれば降りかかる困難さを考えれば、投票行動では独立反対に投じたのではないか。
スコットランドの最大都市グラスゴーでは独立派が勝っている。大都市圏で独立派が優勢だが、他地域では独立反対派が優勢となったのは、ロンドンを離れたスコットランドの将来にバラ色の夢を抱けない中年以上の人たち多かったのではないか。
現地にいるわけではないが、9月19日は朝からBSニュースをかかり切りで見ていた。地デジは最近は見なくなった。とくに民放は見たことがない。
16歳から投票権を持つスコットランドの選挙制度だと、どうしても若い人たちの”お祭り騒ぎ”になり安い。ここはイギリス経済への打撃や国力低下への懸念を重視する”大人の智恵”が必要だったのではないか。
BSニュースではイギリスの政財界が、主要3党や有力企業の幹部が連日、メディアなどを通じて反対を訴えていた。しかしここまでスコットランドの若い人たちを、独立志向に追いやったのは、ロンドンの中央政界や財界に責任がある。
貧しく将来に希望が持てないスコットランドを放置してきたのだから、住民投票騒ぎはよい薬になったのではないか。
■[エディンバラ 19日 ロイター]18日に実施されたスコットランド独立の是非を問う住民投票では、反対票が50%を上回り、独立が否決された。
スコットランドの独立賛成派のリーダーであるサモンド・スコットランド民族党党首は敗北を認めた。

サモンド党首は支持者を前に「スコットランドの人々は現時点で独立をしない決定をした。それを受け入れる」と述べた。
その上で、英国への残留が決定した場合にスコットランドの権限を拡大するという約束について「迅速に履行されることを期待している」と語った。
スコットランド民族党の副党首を務めるスタージョン行政府副首相は、独立が僅差で実現せず失望したと表明。BBCテレビとのインタビューで「スコットランドの多くの住民と同様、私は独立支持キャンペーンに心血を注いできた。ほんの少しのところで独立が実現せず、本当に失望している」と述べた。
キャメロン英首相は、独立が否決されたことを受け、独立反対派リーダーのアリスター・ダーリング氏に祝意を示した。
独立支持派は最大都市グラスゴーなどで優勢となったが、他の選挙区で十分な票を得られなかった。今回の住民投票では、有権者の97%に相当する428万人が投票手続き登録を行った。投票率は過去最高となった。(ロイター)
■スコットランド、独立否決=反対55%、予想外の大差-権限移譲が課題
【エディンバラ(英北部)時事】スコットランドの独立の是非を問う住民投票は19日午前(日本時間同日午後)、開票が進み、全32地区のうち31地区の結果が判明した時点で独立反対が55.42%、賛成が44.58%となり、否決が確定した。
最後の北部ハイランド地区の結果が出そろい次第、全体の正式な結果が発表される。有権者の関心は極めて高く、投票率は世界の民主国でも異例の85%前後に達したとみられる。
事前の世論調査では賛成と反対が拮抗(きっこう)し、僅差になるとの見方が強かったが、予想に反した大差となった。
独立賛成派を率いてきたサモンド・スコットランド自治政府首相は19日早朝、中心都市エディンバラで支持者を前に演説、「スコットランドの人々の民主的な決定を受け入れる」と述べ、敗北を認めた。キャメロン英首相も声明を出す見通し。
投票前に現実味を帯びていた英国の分裂は辛うじて回避された。しかし、首相はじめ主要3党の党首は投票の直前、独立を阻止するため自治政府への大幅な権限移譲を早急に実施すると約束している。その履行は直ちに課題となる。
一方、スコットランド内では、2年にわたる住民投票に向けた運動に伴って生じた社会の亀裂が懸念されている。(時事)
■スコットランド独立、反対派勝利確実…英BBC
【エディンバラ(英スコットランド)=柳沢亨之】英北部スコットランドの独立の是非を問う住民投票は、18日午後10時(日本時間19日午前6時)に締め切られ、即日開票が始まった。
選管などによると、19日午前5時10分(同日午後1時10分)現在、開票率約70%で、賛成45・72%、反対54・28%と、反対が大幅に上回っている。今後、中心都市エディンバラなどの結果が出るが、英BBCは反対派の勝利が確実になったと速報。300年以上にわたるイングランドとの連合は維持される見通しになった。
選管によると、全32地区のうち26地区で開票が終了。今後、中心都市エディンバラで開票が進み、同日午前中(同日午後)には全体の開票結果が確定する見通しだ。BBCによると、賛成派を率いるスコットランド民族党(SNP)の地盤で、賛成が優勢とみられていた複数の地区でも反対が上回っている。
26地区の投票率は84・23%で、全体でも、近年の英総選挙やスコットランド自治議会選の水準を上回る高投票率になると予想されている。選管当局は当初、登録有権者を16歳以上の男女428万5323人としていたが、その後、428万3392人に修正した。
世論調査会社「ユーガブ」が投票当日の18日に行った最新の世論調査によると、賛成46%、反対54%で、反対が優勢だった。
今回の住民投票で賛成派は、北海油田・ガス田からの税収を確保し、社会保障を充実させると主張。反対派は、賛成派が油田・ガス田の埋蔵量を過大に見積もっており、独立後の緊縮財政や増税は必至と訴えた。
反対派は、英国政府与党第1党の保守党、同第2党の自由民主党、野党第1党の労働党の主要3党の支援を受け、当初は世論調査で賛成派を大きくリードした。しかし、分権拡大など反対派の具体的な政策の取りまとめが遅れたため、賛成への支持が広がり、今月上旬に初めて賛成が反対を上回った。
このため英国の政財界では、経済への打撃や国力低下への危機感が一気に強まり、主要3党や有力企業の幹部が連日、メディアなどを通じて反対を訴えた。16日には主要3党党首が、スコットランドへの大幅な分権を約束する共同文書を発表していた。
投票は、英政府と自治政府が2012年に署名した合意文書に基づき行われた。賛成票が反対票を上回れば独立が決まる。自治政府は16年3月24日の独立を目指している。(読売)
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