17271 台湾と日本の心の繋がり     古澤襄

欧米では台湾を「フォルモサ (Formosa)」と呼ぶ。16世紀に台湾沖を通航したポルトガル船のオランダ人航海士が「Ilha Formosa(美しい島)」と呼んだことに由来するという。
1966年・・もう半世紀昔のことになったが、台湾に一週間ほど滞在した。私の印象は大陸から逃げてきた蒋介石一派による台湾人に対する過酷な弾圧で、とても「フォルモサ」なんて言えるものではなかった。
東京で親しかった台湾人・李哲朗君は早稲田大学の学生。「台北に行ったらタクシーの運転手は特務というスパイだから気をつけて・・」と忠告してくれた。台北では台湾人と会うように努めたが、過酷な扱いを受けているのに、何故か楽観的で話をしていても楽しい。
「フォルモサ」は景色のことではなくて、人の心なのだと、勝手に解釈したものである。朝鮮半島の人たちとの心の交流は難しいと思うことが屡々だが、遙か南の台湾の人たちと日本人の間には心の垣根がない。
■台湾に村上春樹文学の研究拠点
海外にも数多くのファンがいる作家、村上春樹さんの作品を研究する「村上春樹研究センター」を台湾の大学が設立し、村上作品の国際的な研究拠点を目指すことにしています。
センターを設立したのは台湾北部の新北市にある私立の淡江大学で、22日、関係者が出席して記念の式典や講演などが行われました。
センターでは日本文学の研究者が中心となり、村上さんの作品が各地で、どのように読まれているかの比較や、社会学や心理学の観点からの分析など、多様な側面から研究に取り組むことにしています。
台湾では1980年代から村上さんの翻訳作品が読まれ始め若者を中心に人気が高く、台北には、村上さんの作品から名付けたカフェがあるほか、大学でも卒業論文のテーマに選ぶなど研究対象にする学生が増えているということです。
淡江大学では、国際的な学術会議も定期的に開催する計画で、センターの曽秋桂主任は「将来、『村上春樹学』を作り上げることが目標で、村上さんの作品をさまざまな角度から研究する土台を提供していきたい」と話しています。(NHK)
■李登輝元台湾総統、六度目の来日。東京と大阪で講演  宮崎正弘
会場は熱狂に包まれ、氏の日本への叱咤激励に聞き入った李登輝元台湾総統が六度目の来日をされた。初日は大阪で講演会。会場は超満員、1600名を超えた。
21日には東京に移動され、サンケイホールがぎっしりになるほど聴衆が詰めかけたが、定員が600名のため、応募しても断られた人も目立った。この講演内容は産経新聞(2014年9月22日付け)がつたえた。
その夜、オークラで関係者のみの晩餐会が開催された。招聘があり、筆者も参加した。李登輝閣下、さすがに老いたが矍鑠としておられた。
「日本李登輝友の会」会長の小田村四郎氏が歓迎の祝辞。引き続き総統は挨拶に立って、こう言われた。
「日本は自立を求めるために相応の軍事力を保有するべきで、”戦後レジームの克服”は”改憲”がなければ達成されません。アベノミクスだけは不十分です。現代世界は資本主義から金融主義となり、台湾はまだ日本に学ぶことが多いが、日本人は従来の引っ込み思案をやめて自らの立場をはっきり主張をすることが大事です。もっと世界に向かって発信してください」
主賓テーブルには長島昭久・衆議院議員、総統の隣は渡邊利夫・拓殖大学学長、総統夫人の隣は曾野綾子女史。会場には井沢元彦、堤堯氏らが参加していた。
食事の終わりかけの頃、拙著『台湾烈々』を手にされた総統から手招きを受け、資本主義から金融資本となってアメリカ、とりわけ「ユダヤ資本」に注意する必要があるなどと、たくさん質問があった。
その犀利な分析、国際金融への関心の深さに驚かされた。
参加者全員には李総統から栞(しろり)が配られ、自筆の「我是不是我的我」と書かれていた。なお総統一行はきょうから北海道に入られる。
杜父魚文庫

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