■小5女児ら4人発見
御嶽山(おんたけさん)(3067メートル、長野・岐阜県境)の噴火で、長野県警などの合同救助隊は4日、山頂周辺で心肺停止状態の4人を発見し、全員の死亡を確認した。
死者はこれで51人となった。4日で噴火から1週間が過ぎたが、山頂周辺にはなお多くの行方不明者が残されているとみられる。御嶽山周辺は、台風の影響で5~6日は雨の予報で、火山灰が多く降り積もった場所では土石流の発生が懸念される。
県警の発表では、新たに見つかった4人のうち、身元が判明したのは、愛知県豊田市の小学5年、長山照利(あかり)さん(11)と同県春日井市、会社員河合芳夫さん(23)、岐阜市、会社員武口求(もとむ)さん(46)の3人。いずれも行方不明の16人に含まれており、行方不明者はこれで13人になった。長山さんは母親、兄とともに17人のグループで登山し、噴火の際に山頂ではぐれていた。
県警などによると、4人の発見場所は、「王滝頂上山荘」から剣ヶ峰山頂へ続く登山道「八丁ダルミ」で3人、山頂から「二ノ池」へ続く登山道で1人。登山道脇の斜面や崖で、灰に体の一部が埋もれた状態で見つかったという。
後方支援を含め1000人規模で行われた4日の捜索は、73人をヘリコプターで山頂へ運び、陸路では王滝口と黒沢口から245人が山頂へ向かった。多くの犠牲者が見つかっている山頂付近の4エリアに重点を置き、登山道の脇や斜面などに範囲を広げて捜索した。救助隊は、火山灰が積もった地面に棒をさしたり、腕時計や携帯電話に反応する金属探知機を使ったりして遭難者がいないか調べた。捜索は、下山にかかる時間を考慮して午後3時に終了した。
5日は悪天候が予想され、火山灰が降り積もった場所では雨で土石流が発生する恐れがある。麓にある長野県木曽町と王滝村は、同県南木曽(なぎそ)町で7月に発生した土石流災害などを参考に、大雨注意報や警報が発令されれば、河川に近い地区に避難勧告を出す方針。長野地方気象台は「5日にも大雨注意報を発令する可能性がある」としている。(読売プレミアム)
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