■業績が本格的に下降線をたどり始めたといえそう
[ソウル 7日 ロイター]韓国サムスン電子005930.ksは7日に発表した第3・四半期(7─9月期)の業績予想で、営業利益が前年同期比59.7%減の4兆1000億ウォン(38億ドル)になると明らかにした。スマートフォン(スマホ)部門は利益が引き続き縮小したもようだ。
4四半期連続の減益で、四半期の営業益としては2011年第2・四半期以来の低水準となる。トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリスト43人の予想は5兆6000億ウォンだった。
売上高予想は20.5%減の47兆ウォン。市場予想は50兆9000億ウォンだった。 サムスンはスマホ部門の短期見通しは不透明だとしており、今年通年の業績は2011年以来の減益となりそうだ。
第3・四半期におけるスマホ部門の営業利益率低下は、マーケティング支出の拡大や平均販売価格の下落が要因。出荷に占めるハイエンド機の割合が低下したほか、旧機種の価格も下落した。
ストラテジー・アナリティクスによると、サムスンは過去2四半期、スマホの世界市場シェアを前年比ベースで落としている。
サムスンは声明で、モバイル事業の「不透明感」は続いているものの、新たなスマートフォンの出荷拡大や、テレビ製品の季節要因的な需要が堅調になる見通しだとした。
半面、半導体部門は堅調。半導体メモリー事業における第3・四半期の利益は、季節要因による需要が旺盛だったことを背景に引き続き改善したという。
第3・四半期業績の最終確定値は10月末ごろに発表される。
軟調な業績予想にもかかわらず、サムスン電子の株価は序盤の取引で2.1%高。利益は第3・四半期に底を打ったとの見方が優勢となったもようだ。
アルファ・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、Hong Jeong-woong氏は「営業利益予想を踏まえると、第3・四半期サムスンが在庫解消に取り組んだことがうかがえる。業績は転換期にある」との見方を示した。
HMCインベストメントのアナリスト、グレッグ・ロー氏は、サムスンのスマホ平均販売価格は第2・四半期の301ドルから第3・四半期には224ドルに下落すると予想している。
一方、アップルの7─9月期のスマホ平均販売価格は、「iPhone(アイフォーン)」の新モデル発表効果で、約605ドルと前四半期の580ドルから上昇する(カウンターポイントのアナリスト、トム・カング氏)との見方がある。
ロー氏は、低価格製品の普及でスマホの平均価格は一般的に下落傾向にあるが、サムスンは利益率の低下による影響を製品ライン拡充で補うことが可能とみている。
サムスンはここ数カ月、新型の大型スマホ「ギャラクシー・ノート4」など高価格帯スマホをいくつか発表した。また、より手ごろな価格のスマホ販売も予定しており、アナリストは、10月末までには発表されると予想している。(ロイター)
■サムスン営業益59.6%減 11四半期ぶり低水準
【ソウル聯合ニュース】サムスン電子が7日に発表した7~9月期の営業利益(速報値)は4兆1000億ウォン(約4200億円)で、前年同期(10兆1600億ウォン)に比べ59.6%減少した。前期(7兆1900億ウォン)比も42.9%の減少。
本業のもうけを示す営業利益が5兆ウォンを下回るのは、2011年10~12月期以来、11四半期ぶりとなる。今年4~6月期に8兆ウォン以下に落ち込んだのに続き、約3兆ウォン急減した。業績が本格的に下降線をたどり始めたといえそうだ。
7~9月期の売上高は47兆ウォンで、前年同期(59兆800億ウォン)比20.4%、前期(52兆3500億ウォン)比10.2%、減少した。売上高が50兆ウォンを切るのは2012年4~6月期以来。
金融情報を提供するエフエヌガイドの集計によると、証券22社平均の最新予想でサムスン電子の営業利益は4兆4756億ウォンだったが、この日サムスン電子が発表した数値はこれを下回った。売上高も証券会社の予想(49兆6052億ウォン)より低い。
部門別にみると、主力のIT・モバイル(IM)部門の大幅な落ち込みが響いた。モバイル製品の需要減に伴うシステムLSI(高密度集積回路)と有機ELディスプレー事業の収益性悪化なども主因と分析された。
IM部門は一時、サムスン電子の営業利益の7割を占めていたが、スマートフォン市場の成長鈍化や中国の格安スマートフォンメーカーの攻勢、競合する米アップルの新製品発売などにより、世界市場で売上高とシェアが大きく後退した。
消費者家電(CE)部門では、テレビ事業がディスプレー価格の上昇でコストが増し、前期に比べると業績が悪化した。生活家電も季節商品のエアコンが天候不順のあおりを受けるなどし、全般的に振るわなかった。
一方、半導体事業を担当するDS部門では、半導体メモリー事業がパソコンやサーバーなどの季節的な繁忙期需要のおかげで価格が安定し、微細化に伴う原価削減も後押しし業績が改善した。
サムスン電子は10~12月期業績の好転はたやすくないとみている。北米のショッピングシーズンを前後してテレビが繁忙期を迎えるほか、スマートフォン新製品の販売の伸びが期待されてはいるが、モバイル事業で低中価格帯製品の価格競争が激化しており、IM部門の不透明性の解消は難しいと予想される。
スマートフォンの差別化と低中価格帯製品のラインアップ強化、有機ELディスプレーをはじめとする部品事業の拡大、半導体メモリー分野の強化などを突破口にする戦略だ。(韓国・聯合)
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17388 韓国サムスン第3四半期予想、スマホ不振で約60%減益 古澤襄

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