17395 トルコ国境のシリア要地に陥落の危機    古澤襄

■トルコ大統領は地上戦の必要示唆
【10月8日 ミュルシトプナル/トルコ AFP】トルコは7日、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」がシリア北部のトルコ国境沿いにある主要な町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)を完全掌握しようとしていると警鐘を鳴らした。イスラム国はこの町の制圧を目指し3週間に及ぶ攻撃を続けており、すでに数百人が死亡しているとされる。
イスラム共同体であるカリフ制の国家の樹立を宣言し、トルコ国境の広い範囲で戦闘を繰り広げているイスラム国にとって、アインアルアラブの陥落に成功すれば快挙となる。

戦闘が重要局面を迎える中、米国とアラブ諸国は、シリアのクルド人の町として第3の規模を持つこの町付近のイスラム国の陣地に新たな空爆を実施した。
一方でトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、戦略上の要地であるアインアルアラブが「陥落の危機にある」と警告するとともに、「欧米諸国に言いたい。上空から爆弾を投下するだけでは解決にはつながらないと」と述べてイスラム国を倒すには地上作戦が必要という見方を示した。
英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、イスラム国が9月半ばにアインアルアラブに向けた攻撃を開始して以降、同町内とその周辺で少なくとも412人が死亡、うち半数以上がイスラム過激派の戦闘員だとしている。(AFP)
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