支持者向け観劇会をめぐる収支に多額の食い違いが生じている小渕優子経済産業相(40)が、いよいよ土俵際に追い詰められた。毎年開いてきた観劇会で、12年分の収支だけ、政治資金収支報告書に記載されていなかったことが17日、新たに判明。政治資金規正法に抵触する恐れがあり、小渕氏は「知らなかったでは済まない」と責任を認めた。与党でも辞任論が強まり始めた。
小渕氏の「政治とカネ」問題の舞台になっている東京・明治座の観劇会。07年から毎年開かれているが、12年に小渕氏自身も出席した会はなぜか、政治資金収支報告書に記載がなかった。開催すれば収支は発生する。経済産業委員会で、民主党の近藤洋介議員に「どこに消えたのか。裏金か」と指摘された小渕氏は「正直、私自身も分からない。なぜ差額が発生したのかも含め調べたい」と、顔をこわばらせて釈明した。不記載の年には、衆院選が行われている。
報告書によると、10年と11年の観劇会では会費収入と団体側の支出の差額が約2642万円になり、団体が負担した形になっている。バス会社への支出も含め差額は約3700万円に膨らむとの指摘もある。負担分は有権者への利益供与に当たり、公職選挙法違反の可能性が指摘される中、新たに政治資金規正法に抵触する恐れも出てきた。
小渕氏は「知らなかったでは済まされない」と認め、週明けにも調査結果を公表する考えを示したが、与党内では「記載がずさんで、額が大きい。数日でつじつまが合うのか」(関係者)と疑問視する声もある。しかし、対応が長期化すれば政権のダメージは必至。小渕氏は、安倍晋三首相が今日18日にイタリアから帰国後、対応を協議する可能性がある。
自民党幹部は「問題を長引かせるより速やかに身を引いた方がいい」と言及。早ければ週明けにも、早期辞任で幕引きする可能性もささやかれ始めた。第2次改造内閣の目玉閣僚で、来年の統一地方選では「選挙の顔」が期待された小渕氏。もし辞任なら、首相にも想定外の大誤算となる。(日刊スポーツ)
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17482 小渕経産相いよいよ土俵際、週明け辞任も 古澤襄

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