17507 呉勝利(軍事委員会委員)海軍司令がスプラトリーの五つの岩礁を視察    宮崎正弘

■フィリピンの主権を踏みにじり、米国の警告もなんのその。
次はマニラのチャイナタウンで「反中暴動」が起きても不思議ではない。
フィリピンが主権を主張するスピラトリー岩礁の五つの礁を呉勝利・海軍司令が最近視察したことが分かった。どの岩礁を視察したかは明らかにされていない。
台湾議会で問題化し、香港の複数のメディアがつたえた。この呉勝利の視察は習近平の同意を得たものと言われる(SINOSPHERE、10月16日)。
米国は中国の侵略的行為は「地域を不安定化させるもの」であり、「現状維持を破壊する」と名指しで批判しているうえ、ヘーゲル国防長官はシンガポールのシャングリラ対話でも、中国軍高官を前にそう述べた。
しかし中国側は警告の存在さえ無視し、蛙の面になんとか。すでに中国はミスチーフ礁に一億ドルを投じて飛行場を建設し、30000の兵力が駐屯できる施設も整っている。
ただしスプラトリー群島はあまりに広域な上、海に隠れる岩礁が多く、ベトナム、マレーシア、フィリピンが領有をとなえ実際に軍が駐屯している岩礁もあり、それぞれも係争中。また台湾はスプラトリー群島のなかの太平島に1150メートルの滑走路を建設しており、3万トン級の船舶が寄港できる。
台湾議会では太平島への軍の恒久的駐屯も検討されている。
杜父魚文庫

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