■約6年ぶり低水準
[21日 ロイター]中国国家統計局が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は、前年同期比7.3%増となり、第2・四半期の7.5%増から伸びが鈍化した。不動産市場の落ち込みが響き、2009年初めに記録した6.6%増以来の低水準となった。市場予想の7.2%増は上回った。
前期比では1.9%増加(市場予想は1.8%増)で、第2・四半期の2%増加から鈍化した。
GDPの発表を受け、追加刺激策の観測が高まったが、アナリストの間では、政府が利下げなど積極的な支援策を講じるか、もしくは緩やかな支援措置にとどまるかの間で見方が分かれている。
中国国家統計局の盛来運報道官は、第3・四半期のGDP伸び率が鈍化したことについて、構造改革や住宅市場の不振、比較となる前年同期のGDP水準が高かったことが原因と指摘したうえで、成長率はなお「妥当なレンジ内」にあるとの認識を示した。
報道官によると、1─9月の中国の経済成長率に対する消費の寄与率は48.5%、投資の寄与率は41.5%。
中国は今年の7.5%成長目標を達成できない見通し。ただ、李克強首相は、労働市場が持ちこたえている限り、成長率が目標を若干下回ることは容認するとの考えを繰り返し示している。
UBS(香港)のアナリスト、ワン・タオ氏は「GDPは予想を上回ったが、サービスセクターの成長が好調だったためだろう」と指摘。「最も弱いのは依然として不動産セクターだ。政府は最近規制を一部緩和しており、第4・四半期には上向くだろう」との見方を示した。
UBSは、年末までに人民銀行が利下げを行うと予想している。
同時に発表された9月の鉱工業生産は前年比8%増加し、予想の7.5%増を上回った。8月は6年ぶり低水準となる6.9%増を記録していた。
1─9月の固定資産投資は前年比16.1%増と、予想の16.3%増を小幅下回った。1─8月は16.5%増だった。
9月の小売売上高は前年比11.6%増加し、8月の11.9%増から伸びが鈍化し、予想の11.8%増を下回った。(ロイター)
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