17531 「米国は悪い方向に向かっている」が65%    古澤襄

■米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)/NBC調査
「おはよう(グッド・モーニング)、プーさん、今朝が本当に良い朝(グッド・モーニング)ならね、それは疑わしいけれど」というのは1926年に発表されたA・A・ミルンの児童小説「くまのプーさん」の仲間のロバ、イーヨーの言葉だ。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースが先週実施した世論調査によると、このイーヨーの落ち込んだムードは、まさに最近の米国人の気分と一致する。有権者1000人を対象に「米国が良い方向に向かっているか、悪い方向に向かっているか」と質問したところ、65%が「悪い方向」と回答した。「良い方向」と答えたのはわずか25%だった。
米国人の気分が今以上に落ち込んでいたのは2008年10月、景気後退を示す最初の衝撃が走った時期だ。当時、78%が「米国が悪い方向に向かっている」と考え、わずか米国の方向性に満足していたのはわずか12%だった。

■中間選挙年の10月に実施される世論調査、「米国の方向性は良いか悪いか」
「良い方向」との回答が「悪い方向」を上回ったのは直近では04年1月。中間選挙の年の10月に実施された世論調査としては、「良い方向」が多かったのは02年が最後だった。
調査では、多くの人々がエボラ出血熱が懸念事項だと回答した。調査が実施されたのは10月第2週で、米国でエボラ出血熱と診断された初めての患者トーマス・エリック・ダンカンさんがその週の8日に死亡した。ダンカンさんを手当した看護士もエボラ出血熱と診断された。
調査によると、米国人の56%が、「米国はエボラ出血熱の感染拡大に対処する用意がある」と考えている。
米国がエボラ出血熱に対して「十分あるいはまったく準備できていない」と感じているのは42%だった。バージニア州在住の30代の民主党支持の女性は「経済も最悪、仕事も最悪、医療も最悪」と述べた。
ただ米国人にとって絶対的悪者の1位は議会だった。世論調査専門家のミカ・ロバーツ氏は、世論調査の全体的に否定的な見方は「政府に対するもので、停滞して改善しない経済のほか、エボラ出血熱、イスラム国、終わりのない戦争が、米国人の肩に重くのしかかっている」と指摘した。
(米ウォール・ストリート・ジャーナル)
杜父魚文庫

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