17555 米最大都市NYが直面するエボラ2次感染防止の課題    古澤襄

[ニューヨーク/シカゴ 23日 ロイター]西アフリカから帰国した米ニューヨーク市の医師が、エボラ出血熱検査で陽性だったことを受け、米国最大の人口を抱える同市の保健当局は困難な課題に直面している。
それは、感染拡大の懸念が高まるなか、医師と接触した人を追跡する範囲をどこまで広げるかという問題だ。

ニューヨーク市で初のエボラ熱発症例となるクレイグ・スペンサー医師(33)は、国境なき医師団の一員としてギニアで活動した後、17日に米国に帰国。
その後、市当局によると、同医師は、ニューヨークの公園やボーリング場を訪れたり、レストランで食事をしたりした。同医師は、少なくとも地下鉄を3回利用し、約4.8キロをランニング。22日にはタクシーにも乗車したという。
市当局者は記者会見で、スペンサー医師が友人2人と婚約者と間近に接触したとして、この3人を隔離したことを明らかにした。同医師を載せたタクシー運転手は感染のリスクは低いとしている。
保健当局は、感染のリスクは「恐らくゼロに近い」として、スペンサー医師と同じ地下鉄車両に乗った人全員を追跡するというほぼ不可能なことはしないとしている。
だが、先にエボラ熱の終息が宣言されたナイジェリア最大の都市ラゴスの当局者に助言したペンシルベニア州立大学の公衆衛生専門家ギャビン・マクレガー・スキナー博士は、スペンサー医師が接触したと想定される範囲をできるだけ拡大することが重要だと指摘する。
米感染症学会のアメシュ・アダルジャ医師は「私の理解では、発症直後にこの患者は自身を隔離しているので、接触した範囲は非常に限られるのではないか」と語った。
国境なき医師団によれば、スタッフが任務を終えて帰国する場合は、発症の兆候について自己監視するなどガイドラインに従うことになっているという。ロイターは詳細を求めたが、同団体は応じなかった。(ロイター)
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