17724 北京出立前の安倍・谷垣会談と安倍・山口会談    古澤襄

年内解散に半信半疑だった人も”解散バス”に乗り遅れるなと九割方が飛び乗ってきた。この勢いはとまらないだろう。
いまは安倍総理がいつの時点で年内解散を視野にいれたのか、また来るべき衆院選で自民党がどれだけの議席を獲得するのかが、永田町の話題となっている。
私は11月7日のBSフジの番組で「解散について首相に聞けば『考えていない』と言うのが決まりだ」とわざわざ言って、けむに巻いた時に「オヤ!」と思った。改造内閣は二閣僚の辞任で揺れていた時に官邸筋から「首相は選挙になれば勝算はある」ともらしていたという情報も入ってきている。
9日、安倍首相は北京に向けて旅立った。その直前に自民党の谷垣幹事長、公明党の山口代表とそれぞれ会談を持っている。党を預かる二人の人物であっても「帰国したら解散する」と首相が言う筈はないが、阿吽の呼吸で意のあるところを伝えた可能性が濃い。
それが証拠には選挙実務を仕切る自民党の茂木選挙対策委員長は翌日の10日、那覇市で「早期の解散になっても対応できるよう、候補者の擁立など選挙に向けた準備を進めていく」と踏み込んだ発言をしている。谷垣幹事長の感触を受けての選挙準備を加速させる発言である。
茂木氏は「選挙に向けた準備はおそらく自民党が最も進んでいる。候補者が決まっていない、いわゆる空白区を埋めるといった準備はしっかりと進めているし、いつでも埋めることができる状況だ」と自信を示した。7分3分で解散はないとみていた自民党内はにわかにざわめき立った。
公明党の動きはさらに具体的だった。11日党幹部を集めた会合で、山口代表は首相が解散・総選挙に踏み切ることも想定して、選挙準備を進めるよう指示した。山口氏は「自民も解散を視野に準備をすると明言されている。我々として、それなりの構えを考えざるを得ない」と記者会見で述べている。
党を預かる二人の重要人物の発言だったから一気に解散風が強まった。
自民党はすでに各選挙区の選挙情勢調査に着手している。報道各社も世論調査と選挙区情勢調査の準備に入った。大手各社は選挙期間の中盤と終盤の二回に調査を実施するであろう。
総論的いえば選挙準備が進んでいる自民党と公明党にとって有利な情勢だが、選挙は水もの、開票箱のフタを開けるまで分からない。
言えるのは野党の選挙協力がかけ声だけではかばかしく進んでいないことに一抹の不安が残る。民主党と維新が完全な選挙協力を組めば、自民、公明両党に一泡ふかせることも不可能でないが、大阪維新は民主との選挙協力には応じないであろう。一方、東京維新は民主党の官公労票を取り込みたいから前向きの態度をとっている。
西と東のねじれをどう調整するのか、それには時間が足りないという野党の嘆きが聞こえてくる。
■与野党 年内選挙に向け動き加速
安倍総理大臣が来週、衆議院の解散に踏み切ることを想定し、自民党は14日に政権公約の柱となる新たな経済対策の検討に着手するのに対し、維新の党が民主党と候補者調整を進める方針を決めるなど、年内の衆議院選挙に向けた与野党の動きが加速しています。
衆議院の解散・総選挙を巡って、与野党では安倍総理大臣が来週、解散に踏み切り、衆議院選挙は早ければ「12月2日公示、14日投票」になることを想定した動きが加速しています。
自民党は14日に政務調査会の会議を開き、衆議院選挙で掲げる政権公約の柱となる新たな経済対策の検討に着手することにしていて、円安に伴う原材料費の高騰対策やアベノミクスの成果を地方に波及させるための方策、それに災害に強い国づくりなどを盛り込んで、早ければ来週にも取りまとめることにしています。
こうしたなか、党執行部内では、内閣の重要課題の1つである地方創生の関連法案について、参議院側が、野党側の理解も得て混乱なく成立させるため、参議院本会議での採決は来週21日が望ましいとしているのに対し、衆議院側からは来週19日の解散も視野に審議を急ぐべきだという意見が出ています。
また、公明党は、経済対策をはじめ、医療・介護といった社会保障制度の充実、それに女性や若者が活躍できる社会づくりなど、マニフェストの策定に向けた検討を始めています。
一方、野党側は「国民生活を軽視する大義なき解散だ」などと対決姿勢を強めていて、各党とも選挙準備を急ぐことにしています。
民主党は、マニフェストの策定に向けた調整を来週にかけて進める方針で、安倍政権との対立軸を明確にするため、アベノミクスは失敗だとして、中間所得層に手厚い経済政策を取りまとめることにしています。
また、維新の党は、道州制の導入を含む統治機構改革や、国会議員の定数の大幅な削減などを公約に盛り込む方向で検討を進めるとともに、大阪などを除いて、民主党と候補者調整を進める方針で、民主党の候補者と競合している選挙区が30程度あることから、今後、実務者間で協議することにしています。
さらに、次世代の党は、50人以上を擁立したいとして、野党間の候補者調整も進めたい考えです。(NHK)
■「解散が21日以降に遅れることはない」と首相周辺が断言 与野党が準備加速 来週の衆院解散にらむ
与野党は13日、安倍晋三首相が来週、衆院を解散する可能性が高まったとみて、公約づくりを本格化させるなど選挙準備を加速させた。
自民党の佐藤勉国対委員長は党国対幹部会合で、解散のタイミングについて「19日も想定せざるを得ない」と言及。政府・与党は地方創生関連2法案の成立にこだわっており、参院の審議日程によって21日になる可能性があるが、首相周辺は「解散が21日以降に遅れることはない」と断言した。
このため、自民党は来年4月の統一地方選に向けて準備していた政策をベースに、公約づくりに着手。野党は候補者擁立を急ぐとともに、各党間の選挙協力も模索する。13日には、民主党と維新の党の幹部が会談。維新幹部はみんなの党とも会談し、候補者の競合を避けるための調整を進める方針だ。(産経)
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